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2004年07月07日 庭野会長が「一致のためのルミノーザ賞」を受賞

本年の「一致のためのルミノーザ賞」(主催・フォコラーレ運動=本部・イタリア、キアラ・ルービック会長)の贈呈式が7月7日、米国・ニューヨーク州にあるマリア・ポリ・ルミノーザ(フォコラーレ運動の生活共同体)で開催され、受賞者の庭野日鑛会長に記念の盾が贈られました。贈呈式には、キリスト教各宗派代表、フォコラーレ運動の信徒など約100人が出席。席上、庭野会長は、受賞あいさつに加え、『法華経における霊性』をテーマに受賞記念講演を行いました。庭野会長が、個人として賞を受けるのは初めて。贈呈式には、佳重夫人はじめ、齋藤高市・ニューヨーク教会長、同教会会員らが出席しました。

庭野会長の「一致のためのルミノーザ賞」受賞は、4月下旬に公表されました。同賞は、1988年に制定。フォコラーレ運動が理想とする「一致」の精神を実現するために顕著な貢献をした個人・団体に贈られる同賞は、これまでピオ・ラーギ枢機卿(88年)、ヘンリック・スヴェヌングソン司教(03年)など17人が受賞しました。庭野会長は、仏教学者の阿部正雄氏に次いで日本人として2人目の受賞者。「世界平和を促進するため、長きにわたり諸宗教協力に実りある努力をしてきた」ことが主な授賞理由となりました。

贈呈式では、イタリアのフォコラーレ運動本部から寄せられたキアラ会長の祝辞をマルセラ・フェラーリ女史(ルミノーザ賞ディレクター、ルミノーザ女子センター長)が代読。同賞の歴史と意義なども説明されました。

次いでウィリアム・ベンドレイ・WCRP(世界宗教者平和会議)国際委員会事務総長が受賞者である庭野会長の歩みを紹介。WCRP国際委員会会長として、ボスニア・ヘルツェゴビナ、スリランカ、カンボジアなどの和平に大きく貢献してきたことを説明しながら「ゆるせないようなことをゆるしていける、深い霊性をお持ちの方」と讃えました。

このあとフェラーリ女史、ウィリアム・ニュー師(ルミノーザ男子センター長)から庭野会長に、記念の盾、ルミノーザを象徴した陶器が贈られました。あいさつに立った庭野会長は、「授賞くださった理由の一つに『世界平和を促進するための諸宗教協力活動に対する努力を讃えて』とある。このことは、私の父である庭野日敬本会開祖はじめ、本会の会員一人ひとりが進めてきた宗教協力による平和活動に対する神仏のご加護の賜物。同時にフォコラーレの皆さまが目指す『一致』に向けた活動と歩みを一にする証明であり、大きな励みと受けとめる」と述べました。

午後には、庭野会長が『法華経における霊性』と題し、約20分にわたり受賞記念講演。仏教の生命観を説明する中で、一切のいのちへの讃歎こそ「法華経の世界」であり、「仏の御いのち」と一つという自覚が大事と強調。同時に「自分は凡夫である」との内省が欠かせないとし、「この両方があいまってこそ、真に仏の願いに随順した生き方といえる」と示しました。

次いで、ドナルド・ミッチェル教授(インディアナ州パーデュー大学)が、庭野会長の受賞記念講演についてコメント。「法華経は、人間とあらゆるものとの調和を目指している。このことは、より深く、より広い一致の世界を教えてくれる。世界の宗教に新たな視点を与えるものといえる」と語りました。

最後に、質疑応答の時間が設けられ、庭野会長に「侵略戦争をどう受けとめるか」などの質問が寄せられました。庭野会長は、五戒の中でも特に不殺生戒を説明しながら「人間がお互い殺し合うようなことはしないように、というのが不殺生戒であり、仏教では一番根本となる教え」と答えました。

(2004.07.16記載)