News Archive

2004年09月05日 イタリア・ミラノで『世界宗教者平和のための祈りの集い』が開幕

カトリックの在家運動体で第16回庭野平和賞の受賞団体である「聖エジディオ共同体」(アンドレア・リカルディ会長、本部・ローマ)が主催する「第18回世界宗教者平和のための祈りの集い」が5日、イタリアのミラノ市で開幕しました。同集いには70カ国から350人の諸宗教指導者、政治家、専門家や市民運動の責任者が参加、本会から橋本惠市・本部総務部長、澤畠康友・立正佼成会ジュネーブ代表、廣田委子・英国立正佼成会代表が出席しています。

1986年にローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の呼びかけによって実現したアッシジ「平和祈願の日」集会の精神を継承する同集いは、今年で18回目を迎えました。今回のテーマは『諸宗教と諸文化――新しいヒューマニズムの勇気』。
世界では、イラク、アフガニスタン、ロシアなどで残虐なテロ事件が続発、それらの地域テロが相互に連携し、アジアやアフリカ大陸に波及しながら世界化(クローバリゼーション)することも懸念されています。5日の開会式には、学校占拠事件が発生したロシア南部、オセチア教区のアズルコフ司教も出席し、子供たちの虐殺に関する凄惨な状況を語りました。聖エジディオ共同体のリカルディ会長は、「世界化の流れの中では、他の世界、文明との共存が必要であり、そのためには、未来への広いビジョンという視点から協調、対話、利益や文化の編成が必要とされる」と訴えました。また、同会長は、現代世界を「根を失ってしまった人々の世界」と呼び、「諸宗教が、その根について説き、人間を神に結び付けると同時に、人と人をも結び付けることになる」と強調しました。
フラッティーニ・イタリア外相はスピーチの中で、「対話によってのみ、皆が一丸となって"生命文化"の再建に貢献できる」とアピールしました。同外相はまた、「アラブ世界の改革(民主化)のプロセスは、外部から押し付けられるべきではない」と主張。イタリア政府が10月にローマで『イスラームと平和』と題する討論会を企画していることを明らかにしました。
6、7の両日には、世界各地の紛争やテロの原因となっている諸問題をテーマに36の分科会が開かれ、橋本総務部長が『日本の宗教的ヒューマニズム』と題する分科会で発題します。7日、大司教座聖堂(ドゥオモ)広場で閉会式が行われます。

(2004.09.10記載)