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2005年01月17日 庭野会長迎え、「阪神・淡路大震災10周年慰霊式」

阪神・淡路大震災から10年を迎えた1月17日、庭野日鑛会長を迎え、神戸教会で「阪神・淡路大震災10周年慰霊式」が行われ、2230人が参集しました。平成7年1月17日午前5時46分、阪神地方を襲った大震災。死者6433人、負傷者4万3792人、家屋の被害51万2882棟という甚大な被害をもたらしました。法話に立った庭野会長は、「本当に大変だったと改めて感じます」と振り返った上で、信仰者としての物事の受け取り方、役割などを示しました。慰霊式には、佳重夫人が同行、松本貢一・青年本部長が随行しました。

聖壇上には、犠牲となった会員81人の戒名とともに、庭野会長からおくられた全犠牲者の戒名『慈生院法妙安地震徳六千余名信士信女童男童女』が祀られました。震災直後の平成7年1月29日、庭野会長は混乱の続く神戸に入りました。この時、庭野会長は教会道場に集まった約500人の会員を見舞い、被災地を視察。2年後の1月12日には、同教会で挙行された「阪神・淡路大震災犠牲者三回忌慰霊法要」に出席しました。そして、震災から10年経った17日、庭野会長は三度、神戸の会員を前に法話を述べました。
「阪神・淡路大震災10周年慰霊式」当日、会員たちは早朝から続々と教会道場に詰めかけました。法座席に座る会員に、以前のような苦しみ、悲しみに打ちひしがれた表情はありません。「震災直後の一番苦しい時に、会長先生が来てくださいました。その時のお言葉、み心が大きな励みになりました。その感謝の気持ちを10年経った今、お伝えしたいんです」。道場を埋めた会員たちは口をそろえます。
式典は、震災直後の街や庭野会長来道の様子を伝える教会制作のビデオ上映に続き、奉献の儀が行われました。青年女子部員、青年婦人部員合わせて21人が、犠牲者の慰霊と復興の願いを込め、東遊園地(神戸市中央区)に灯されている「希望の灯り」から分灯された火を捧げました。奉献の儀に参加した青年婦人部員は10年前、妊娠3カ月の体で被災。寒さと精神的ショックで流産しかけたこともありました。しかし、その年の7月に無事、男児を出産しました。「今日は息子と2人分の感謝の気持ちを込め、お役をさせて頂きました」と笑顔で語りました。
続いて、椎名啓至教会長を導師に読経供養が行われたあと、庭野会長が登壇し、回向文を奏上しました。
このあと、会員を代表して3人の会員が、被災の苦しみ、悲しみに遭遇しながらも、庭野会長の来道、サンガの励ましによって心の安寧を得た体験を、それぞれ発表しました。
767人の会員が10年間の思いをつづった「感謝のメッセージ集」が庭野会長に贈呈されたあと、松本青年本部長があいさつ。昨年発生したさまざまな自然災害を挙げ、「何が起こるか分からない世の中で、何が起こっても揺れない、しっかりとした心、信仰を持つことが大事」と述べました。
法話に立った庭野会長は、物事の受け取り方に言及。「日ごろのいろいろなことを仏さまのはからいとして受け、心を大きく持っていくと、悲しく苦しいのは自分一人だけではなく、世界中の人たちが、やはり同じように、苦しい時は苦しい、悲しい時は悲しいのだと、そういう大きな気持ちを持たせて頂けるのです」と語りました。
さらに、信仰者の役割に触れ、「法の喜びを一人でも多くの方にお伝えする。今生かされていることが有り難いと、そう感じて頂ける人を一人でも多くすること」と示しました。
最後に、青年婦人部員で構成される「RKKシンフォニーKOBE」が、震災直後に小学校の先生が復興の願いを込めて作曲した『しあわせ運べるように』を合唱しました。

(2005.01.21記載)