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2005年02月10日 庭野平和財団「南アジアプログラム」スタートから10カ月


自助グループで、葉をかたどったプレートをつくる女性たち。収入向上を図るプログラムが進められている(写真提供・アディカール)

庭野平和財団が進める「南アジアプログラム」の中間報告が現地から同財団に届きました。インドでの活動がスタートして10カ月。今年度は『食の安全保障』をテーマに現地のNGO(非政府機関)3団体がプロジェクトを進めています。指定カーストや指定部族の人々が暮らす村を中心に灌漑整備や農業技術の指導ほか、自助グループなどの住民組織設立に力を注いでいます。本会一食平和基金では本年次も同プログラムを積極的に支援していきます。3団体から寄せられたレポートをもとに、貧困の解消に向けた取り組みを紹介します。(【】は団体名)

【アディカール】
オリッサ州ナーヤーガル郡の32カ村に暮らす1129世帯を対象に、灌漑施設をつくるなど、生活向上のための支援を行っています。
同地域は温順気候で二期作が可能ですが、灌漑施設がないために年に一度しか収穫できない村が多くあります。昨年12月、ロウトラプール村に灌漑施設が完成。二期作はじめ、新たに高地栽培や野菜づくりも始まりました。アディカールは種子や苗を配付すると共に、技術指導、土壌地質や水の管理の研修を行い、これまで延べ112人が参加しました。
一方、郡全体で無料医療サービスや保健衛生の周知を図るプログラムを実施。併せて、住民の連帯強化、農業以外の収入を得ることを目的に住民自身による「自助グループ」を設立しました。現在、計220人が参加しています。生活苦による借金から高利貸しに差し押さえられた土地の使用や返還を求め、交渉を行う計画もあります。

【BISWA(インド総合社会福祉協会)】
オリッサ州サンバルプール郡の10カ村で活動しています。
BISWAでは、住民が主体的に村の問題点を見つけ、解決を図ることができるようにと、住民の連帯を深めるさまざまな住民組織づくりを進めてきました。これまで、『自助グループの役割』『協力・連帯の必要性』『酪農における女性の役割』『地域行政への参画』など6つのテーマを取り上げ、住民を対象とした学習会を開催しました。また、自助グループ設立と併せ、開発を進めていく上での課題や問題点を検討する2つの「フォーカスグループ」を各村に組織。自助グループの中心組織「コアコミュニティ」では、各自助グループの女性代表者5人が加わり、グループ間の連携を図るながら、女性の地位向上にも取り組んでいます。
このほか、農業に適さない地域で竹細工などの職業訓練を行い、これまでに50人が参加しました。

【JJK(ジャン・ジャクリティ・センター)】
チャティスガル州ライプール郡の10カ村で、住民組織の形成、穀物・種子銀行の設立と運営などを実施しています。
JJKでは、「貧困」「失業」「女性蔑視」といった問題について住民と共に話し合う場を設け、自助努力によって生活改善できるようにと意識改革に努めています。回を重ねるごとに参加者は増え、特に当初、姿を見せなかった女性が参加するようになりました。
また、住民の手による「農村調査」を実施。「住民の80%以上が貧困状態」「物流システムが機能していないため、貧しいにもかかわらず、一般市場よりも高い価格で日用品を購入しなければならない」「灌漑施設がないために二期作ができない」といった貧困の原因が解明されました。インドには、政府の政策を利用して正当な権利を得られる制度があるため、問題解決に向けた知識の習得、外部との交渉能力を身に付けるとトレーニングなども行われています。

(2005.02.10記載)