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2005年03月10日 日宗連が「第21回宗教と税制シンポジウム」開催

『公益法人制度改革と宗教法人への影響』をテーマに、日宗連(日本宗教連盟)は3月10日、セレニティーホールで「第21回宗教と税制シンポジウム」を行いました。日宗連加盟教団の関係者ら約110人が参集しました。

現在、政府が進める公益法人制度改革は、改革の対象となる公益法人(財団法人、社団法人)、中間法人だけでなく、将来的に、宗教法人、NPO法人、学校法人、社会福祉法人等への影響が予想されています。シンポジウムは、制度改革の問題点を明らかにするとともに、宗教法人の活動と税制にどのような影響があるのかを学ぶもの。
シンポジウムでは、庭野日鑛・日宗連理事長が開会のあいさつに立ち、続いて、シーズ(市民活動を支える制度をつくる会)事務局長の松原明氏と白鳳大学教授の石村耕治氏が講演。それぞれ、公益法人制度を改革する理由、現在までの進行状況、有識者会議報告書の内容などを解説しました。
公益法人制度改革は、公益法人への天下りや公益性を失った法人の税優遇など、社会問題に対応する目的で、「法人制度」の見直しと「税制」の見直しが同時に進められています。昨年11月、政府の有識者会議が最終報告書をまとめ、同12月、その内容が閣議決定されました。
報告書によると、登記すれば簡便に法人格を取得でき、公益性については新たに「判断主体」を設けることになります。改革の対象は、公益法人(財団法人、社団法人)、中間法人であり、これらはまとめて「非営利法人」(仮称)となり、原則として課税されます。さらに「公益性を有する非営利法人」には税の優遇がありますが、「公益性」について、新たな「判断主体」が一定の要件を満たすか否かを判断することになります。
講演の中で松原、石村の両氏は、こうした法人制度がいったん認められれば、「公益法人等」の一つとしてあげられる宗教法人、学校法人、社会福祉法人などの法人への適用が懸念されることを指摘。宗教法人の宗教的側面について公的な判断が介入することは、憲法で保障されている政教分離のルールにそぐわないとしました。

(2005.03.18記載)