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2005年04月22日 扶友センター開設から1年

立正佼成会附属佼成病院(林直諒院長、東京・中野区)の「扶友センター」が、昨年4月の開設から1年を迎えました。同病院の診療圏である中野・杉並区の社会状況、医療ニーズを踏まえて誕生した同センターは、【1】腎センター【2】療養型病棟(ひかり病棟)【3】緩和ケア・ビハーラ病棟(佼成ビハーラ)――の3つの機能を備えています。一般病棟と連携し、各機能の特色を生かしながら積極的な医療が行われています。

【腎センター】
腎臓病により透析を必要とする患者のための病棟として扶友センター1階に40床分のスペースを確保しています。現在は25床を使用。慢性の腎臓病をはじめ、糖尿病性腎症など患者約60人に対し、週3回、1回に約4時間の治療を行っています。ベッド数が多く緊急の対応も可能なため、団参などで地方から本部を訪れた会員が一時的に透析を受けるケースも増えています。
また、入院病棟では重症患者の透析のみ行っており、車イスなどで移動可能な入院患者の透析は同センターで対応しています。各ベッドに液晶テレビが備え付けられていること、病床の間隔が広くプライバシーが確保されていることなどが、利用者にも喜ばれています。

【療養型病棟】
「ひかり病棟」は、急性期の治療や一定の看護を終えた高齢者をはじめ、慢性的な病を抱え、療養が必要な患者のための入院病棟。 扶友センターの2、3階に32床を備え、開設から現在までに148人が入所ました。一般病棟から在宅復帰に向けて、医師、看護師、介護士、リハビリ、福祉のチーム医療で自立支援を行っているほか、療養施設への入所を待つ患者のサポートを行っています。
毎日の食事は、ナースステーション前の食堂に全員が集まり、看護師やケアワーカーの目が行き届いた安全な環境でとることができます。また、寝たきりにならないため、毎日午後3時から体操を行っています。こうした取り組みの継続が、患者の心身によい影響を及ぼしているといいます。今後は、高齢の患者を抱える家族のサポートするシステムを検討していく意向です。

【緩和ケア・ビハーラ病棟】
悪性腫瘍の患者を対象に、症状の緩和を目指すとともに、身体的、精神的な痛みを抱える患者や家族を支えていくための「緩和ケア・ビハーラ病棟」〈12床〉では、開設から現在までに84人を受け入れた。佼成病院の一般病棟に入院した患者が、希望で移ってくるケースをはじめ、大学病院の紹介、インターネットのホームページの情報を通じて入棟を希望してくるケースもあります。週2回、入退棟判定会議を行い、入棟者を決めています。在院日数は最短で24時間以内、最長で9カ月に及びます。投薬などによって痛みのコントロールが可能になり、在宅で療養する環境が整ったことから、先ごろ初めて退院が可能となった患者もあり、現在は、患者やその家族に対し、スタッフらが積極的なサポートを行っています。
また、同病棟では「病院であっても季節の移り変わりや生活感を感じられるように」と、毎月、さまざまな催しを行っています。もちつきをはじめ、七夕や月見など、病棟スタッフが趣向を凝らしたイベントを実施しています。
スタッフは医師や看護師、看護助手、ヘルパーなど14人。看護師の中には、看護師の指導などを行う「認定看護師」の資格を有するスタッフが2人おり、今後、認定看護師を目指す研修生の実習を受け入れる予定です。また、教団から要請された会員による「心の相談員」が、患者の希望に応じて話し相手や病棟の行事のサポートなどを行っています。

(2005.04.22記載)