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2005年05月02日 IARF・JLCとWCRP日本委が愛知万博で国際シンポジウム

IARF・JLC(国際自由宗教連盟日本連絡協議会)とWCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会共催による国際シンポジウムが5月2日、「2005年日本国際博覧会」(略称=愛知万博、愛称=愛・地球博)の「地球市民村」にある交流ホールで開催され、約100人が参集しました。同シンポジウムは、IARF・JLCとWCRP日本委の愛知万博への共同出展を記念して行われたものです。テーマは『自然と多様な民族のスピリチュアリティ』。基調講演、パネルディスカッションを通し、先住民族のスピリチュアリティ(霊性)と宗教の関連性、宗教者が社会で果たす役割が模索されました。

シンポジウムは冒頭、『自然と諸民族のスピリチュアリティ』をテーマに、映画監督の龍村仁氏の基調講演が行われました。
この中で、龍村氏は自身が監督を務めた映画『ガイアシンフォニー』に登場した3人の先住民族が、植物にいのちを感じ、共生している姿を映像で紹介したあと、自然界と人間との関係に言及。「先住民族の文化や霊性は現代人にも息づいている」と定義した上で、「人間は自然界の営みに対して、自己中心的な発想でかかわってきました。しかし、私たちは本来、自然界から多大な恩恵を受けて生きている。つまり、樹木や花と根源的に同じいのち、魂を持っている自然界の一部なのです」と語りました。さらに、人間が自然界の中で生きていく留意点として、「環境破壊の進む現代で、私たちは科学技術を自然界とどう調和させていくかが、21世紀の重要課題ではないでしょうか」と述べ、講演を結びました。
このあと、カンボジアのチヴァン・モニラック上院副議長(上座部仏教)、台湾先住民族のササラ・タイバン氏、三宅善信・金光教春日丘教会長(教派神道)、井野瀬久美恵・甲南大学教授(キリスト教)、大村英昭・関西学院大学教授(仏教・浄土真宗)が登壇し、『多様な民族のスピリチュアリティ』をテーマにパネルディスカッションが行われました。コーディネーターは、奥野卓司・関西学院大学大学院教授が務めました。出席者は基調講演を踏まえ、民族の霊性と諸宗教との相違点や現代社会での宗教者の役割などについて議論しました。

(2005.05.13記載)