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2005年07月04日 インドネシアでWCRPアジア青年事前会議

WCRP(世界宗教者平和会議)国際委員会主催による「WCRPアジア青年事前会議」が7月4日から6日まで、インドネシア・アンボンで開催されました。同会議には、アジアを中心とした14カ国68人の宗教青年が参加。日本からは、WCRP日本委「青年の翼」が派遣され、同日本委青年部会の三宅道人幹事長(金光教常盤台教会副教会長)、天台宗実相院住職の高柳妙眞師、松本貢一・立正佼成会青年本部長(「青年の翼」団長、同青年部会事務局長)をはじめ、25人が出席しました。参加者は、基調講演やグループセッションに臨み、平和に対する宗教者の役割を話し合いました。

同会議は、来年8月に行われるWCRPⅧ(第8回世界宗教者平和会議)を前に、広島と京都に世界の宗教青年が一堂に会して開催される「WCRP青年世界大会」の事前の取り組みとして位置づけられています。『平和のために集う諸宗教青年~平和を阻害するさまざまな「暴力」に立ち向かい、万人が共有できる安全な社会を目指す~』をテーマに、アジアの宗教青年が、それぞれの国や地域の抱える暴力の現状や原因を探り、平和構築を推進しながらWCRPⅧへの参加意欲を喚起する目的で開催されました。今回のアンボンでの会議を第1回とし、今後、南米と中東でも開かれる予定になっています。
今回、開催地となったアンボンは、1999年からイスラームとキリスト教の激しい宗教紛争が繰り広げられてきました。2年前に紛争は解決したものの、現在もムスリム(イスラーム教徒)とキリスト教徒間の確執が根深く残っています。いまだ深い傷跡が残るアンボンで、アジアの宗教青年が平和構築のために宗教宗派を超えて連帯し、世界平和実現を訴えることも今会議に込められた願いの一つです。会議前日に行われた記者会見には、インドネシアの報道機関11社が集まり、杉野恭一WCRP国際委員会事務総長補とインドネシアのエルガ・サラプング諸宗教対話研究所所長、「人道支援のためのマルク州諸宗教対話研究所」のジャクリー・マニュプティー所長が同会議の意義や目的を発表しました。
4日に開幕した会議では、インドネシアにある国立イスラーム大学のムハンマド・マチャシン教授の基調講演やパネルディスカッション、グループセッションが行われました。参加者は各プログラムを通し、平和の構築に向けた宗教青年の役割を確認したほか、地元の宗教青年との交流も図りました。
最終日には、会議で話し合われた内容を基盤に「声明文」の策定、採択がなされました。声明文では、各国内、アジア地域の諸宗教青年ネットワークの設立構想、紛争予防や平和教育に向けたアジア諸宗教実行プログラムを展開することの必要性が盛り込まれ、具体的な実行計画が明記されました。
杉野事務総長補は、「青年は若さと勇気と情熱を持っています。その力は現代社会が抱えている諸問題を乗り越えていける力です。特に紛争の多いアジア地域で諸宗教青年がネットワークをつくり、具体的な紛争解決、平和構築、そして継続可能な開発という分野で実を結ぶことを期待しています」と話しました。

(2005.07.15記載)