News Archive

2005年07月08日 スマトラ沖地震・津波災害の発生から半年――立正佼成会一食平和基金を通じ、現地で諸団体が尽力

22万人を超す死者・行方不明者を出したスマトラ沖地震・津波災害の発生(昨年12月26日)から半年が過ぎました。被災地域はインド洋沿岸の12カ国に及び、最も被害の大きかったインドネシアはじめスリランカ、インドなどを中心に、現在も170万人以上がテントや仮設住宅での避難生活を送っています。本会は災害発生直後、「立正佼成会一食平和基金」を通じ、被災地で救援・復興活動にあたる国連機関やNGO(非政府機関)9団体に対して総額5200万円を支援。災害発生から6カ月を経て、各団体からは被災者の心のケアを含めた長期的な支援の重要性などが報告されています。

現在、被災地での各団体の活動は、ほぼ緊急救援の段階を脱し、中・長期的な復興支援に移行しています。しかし、復興の状況は地域によって異なり、多くの被災者が、今なお厳しい状況下に置かれています。
被災地では災害発生前、多くの被災者が漁業で生計を立てていました。家族を亡くし、家屋が倒壊する悲しみに加え、漁船の崩壊や自然環境の変化などから生活の糧を失った被災者も少なくありません。これらの現状を踏まえ、各団体は被災者の心のケアと生活再建に焦点をあて、さまざまな支援活動を展開しています。
スリランカ南部のハンバントタで活動する特定非営利活動法人「ジェン」は、「心のケア」に重点をおいた生活再建事業を実施しています。この事業では「ココナッツロープ作り」「魚網作り」「小規模野菜菜園」の職業訓練活動を通し、心のケアを行います。また、被災の体験や家族を失った悲しみを、他の被災者と共有することによって心を癒やしていくグループカウンセリングも実施しています。
一方、子供たちに対しては、スポーツを通じた心のケア活動を展開。インストラクターやソーシャルワーカーが見守る中、子供たちはバレーボールやクリケットなどで体を動かし、少しずつ明るさを取り戻しています。被災のショックで家に引きこもりがちだった子供も、徐々に参加するようになったと報告しています。
SVA(社団法人シャンティ国際ボランティア会)はタイ南部のパンガー県一帯で、子供たちを対象とした「図書館活動」を実施しています。特に「移動図書館」として、書籍などを積んだトラックで、30ある避難所を巡回。読書の機会を提供するとともに、紙芝居、ゲームや音楽などを通して被災体験の恐怖や悲しみを癒やす取り組みを続けています。
高橋久夫・同広報課長は「移動図書館を通じて、子供たちに安らぎの場所を与えたい。子供が元気になれば、大人も地域も元気を取り戻すことができます」と語ります。高橋氏は同時に、漁港や漁村として賑(にぎ)わっていた地域の中で、経済的な問題から稼業を再開できずにいる被災者が少なくないことを報告しています。
SVAと同様、タイで活動するJVC(日本国際ボランティアセンター)の下田寛典・同タイ津波被災地復興支援担当も地域差を強調します。「災害発生によって、住民がそれまで抱えていた問題が顕在化した」と語り、住民登録を行っていなかったため、政府の支援を受けることができないラノーン県に暮らす少数民族出身の被災者の例を挙げ、一部の被災者の生活再建の困難さを指摘しました。
JVCは同国で活動を進める他のNGOと連携し、「タイ津波NGOネットワーク」として被災者支援や、子供たちの心のケア活動などを展開。今後も人権や土地の所有権、自然資源の回復や保全などの問題が表面化、複雑化することが予測されるため、あらゆる側面から中・長期的な支援活動に取り組んでいく意向です。
また、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)はいったん活動を終了したものの、このほどインドネシア政府の要請を受け、最も被害の大きかった同国・アチェ州に「緊急復旧支援」として1000戸の仮設住宅の提供を決定。同州西岸で建設にあたります。
災害発生当初、食糧のほか医薬品の配布、負傷者の搬送など、通常の活動を拡大して被災者への救援を行ってきたWFP(国連世界食糧計画)は、半年を経て、このほど復興支援に切り替えました。国連WFP協会の島崎亮平・事務局長代行は、被災地の完全な復興にはかなりの年月を要することを強調し、「日本にいる私たちにできることは、被災地の様子がニュースなどで報じられなくなっても、現地で復興に向けた努力が行われていることを忘れず、支援を続けることだと思います。引き続き、皆さまのご協力をよろしくお願いいたします」と語っています。
【スリランカ連絡所と唐津教会が支援活動を継続】
本会南アジア教会スリランカ連絡所の拠点長によると、スリランカでは約4万人の命が失われ、3000戸の家が津波に流されました。3000人の子供が親を失い、倒壊した学校、寺院も多いといいます。政府は、再建の対象となる家屋を海岸から300メートル以上離すことを定めましたが、漁を営む人にとっては今後の仕事に支障をきたすため、「家の再建が進まない」と憂慮しています。
同連絡所では、地震・津波の被災直後からサポートを開始。倒壊した2軒の会員宅を再建すると同時に、物資の援助と併せ会員が文書布教を通して教えを説きました。南方にあるベルウェラ村では、300人の子供にノート、ペンなどの学用品を支援し、その家族に対し米、砂糖、ミルクなどの食料を支援しました。また、カトリックの教会に避難する200人の子供たちに、靴や靴下、バッグを提供。拠点長は、司祭から「他宗教の方がこんなにしてくれて」と感謝されたことに触れ、「開祖さまの教えのお陰さま」と振り返りました。
現在、連絡所では、毎月1日に犠牲者の慰霊祭を行っています。地域では病院建設の計画があり、青年を中心に看護師を側面から支援する意向です。拠点長は「体を使って手伝いをしていきたい。機会があれば、心に傷を負った人のサポートもしていければ」と話しています。
一方、唐津教会では青年部が中心となり、新潟県中越地震の救援募金と並行して、「ユニセフ・スマトラ沖地震・津波緊急復興募金」を展開中です。3月から現在までに9回の街頭募金を実施、青年婦人部員がJR唐津駅構内で市民に協力を呼びかけています。市民から「まだ頑張っているのですね」「現地で生活する人はこれからが大変だよね」と声をかけられました。6月29日現在、募金の累計は5万9242円となりました。
同青年婦人部では法座などでそれぞれの心の持ち方を確認。「もし私たちの子供が災害にあったら、駆けつけたくてどうしようもないほど苦しいはず」などと話し合い、共感する気持ちを大切にしようとかみしめています。青年の一人は「被災地の方々や部員一人ひとりの尊いいのちに合掌させて頂いています」と話しています。

(2005.07.08記載)