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2006年03月09日 新宗連同和推進連絡協議会がテーマ研修会を開催

『路上生活者問題を考える』をテーマに新宗連(新日本宗教団体連合会)同和推進連絡協議会は3月9、10の両日、東大阪市の円応教大阪会館で研修会を行い、立正佼成会はじめ加盟9教団から218人が参加しました。

新宗連同和推進連絡協議会は25年前に結成され、部落差別問題や北海道のアイヌ問題などに対する理解を促進してきました。テーマ研修会は今回で11回目です。3月9日は、大阪市西成区釜ヶ崎(あいりん地区)で27年間にわたり路上生活者を対象にケースワーク(住居や病院の斡旋、心のケア)を展開している入佐明美・大阪建設労働者生活相談員が講演を行いました。
講演の中で入佐氏は、同地区での活動、路上生活者の厳しい現状と課題について述べた後、自身の体験をもとに路上生活者の心情を説明しました。「いつのまにか『してあげよう』という、相手を見下した目線になっている自分がいました。相手の立場に立ち、お互いの持っている魅力を引き出し合うことが大切です」と語り、支援する側とされる側の枠を超え、人間同士の心のつながりを大切にかかわっていくことの重要性を語りました。
また、翌3月10日には西村晴雄幹事ら6人が「特定非営利活動法人釜ヶ崎支援機構」を訪れフィールドワークを実施しました。同団体は同地区の路上生活者の社会的処遇の改善と自立支援事業を行い、社会福祉の向上を図っています。
フィールドワークでは同団体の松繁逸夫事務局長の案内で職業安定所などを訪れ、路上生活者の現状を学んだ後、同地区の抱える問題などについて説明を受けました。
松繁事務局長は、路上生活者の多くは労働意欲が強く、一般の人と変わらないことを強調し、周囲が路上生活者に先入観を持つことによって差別心が広がると語りました。

(2006.03.17記載)