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2006年04月13日 中国で「世界佛教フォーラム」、本会からも参加

中国佛教協会と中華宗教文化交流協会の共催による「第1回世界佛教フォーラム」が4月13日から16日まで、中国浙江省の杭州市と舟山市で開催され、世界37カ国から1250人が集まりました。日本からは濱中光礼・天台宗宗務総長、真言宗中山寺前管長の村主康瑞元老、持田貫宣・日中友好宗教者懇話会理事長など38人が参加、本会から今井克昌・中央学術研究所所長が出席しました。

「世界佛教フォーラム」は中国仏教界の呼びかけで開催されたものです。現代世界は、科学技術が発展し物質文明が発展する一方、人類の精神的な危機、道徳の後退、環境破壊、テロなどの脅威に直面しています。仏教徒として人心を浄化し、社会を教化していく重責を積極的に担っていかなくてはならない--そのような趣旨から、フォーラムでは『調和のとれた世界は心から』をテーマに「仏教の結束と協力」「仏教の社会的責任」「仏教の平和使命」について議論が交わされました。
フォーラムには本会から中央学術研究所の今井所長が出席。今井所長は12日、杭州市内のホテルで釈一誠・中国佛教協会会長の出迎えを受け、あいさつを交わしました。
開幕式は13日、杭州人民大会堂で行われ、劉延東・全国政協副主席など中国政府の高官も出席。引き続き、2日間にわたり、各国の代表73人が大会テーマに基づいて発表を行いました。日本からは村主元老、持田理事長、臨済宗南禅寺派の中村文峰管長(杉村五由・同宗務総長代読)の3人が発表に立ちました。15日は、9人のパネリストによるパネルディスカッションが行われ、日本からは生井智紹・高野山大学学長が登壇。質疑応答も行われました。
最終日の16日には、浙江省・舟山群島にある中国佛教四大聖地の一つ、普陀山の南海観音広場に会場を移し、代表108人による「世界平和祈念法会」が行われました。閉幕式では、「普陀山宣言」が発表されました。人類にとって、平和が永久の願いであり、調和が究極の理想であるとしながら、仏教者が仏の教えに基づき、調和の範を示し、人々に慈悲を教え、心を啓発することにより社会を導いていくことが大切だと表明。仏教者が調和と善意を愛し、それに人々が心から呼応することで、世界は必ず栄えると訴えました。さらに、世界の調和は仏教者一人ひとりの責任であり、調和はその心から始まると主張しました。

(2006.05.12記載)