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2006年06月23日 WCRP第2回事前学習会・平和大学講座が開催

『平和のために集う諸宗教――あらゆる暴力をのり超え、共にすべてのいのちを守るために』をテーマにWCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会(庭野日鑛理事長)主催による「平成18年度平和大学講座」が6月23日、東京・文京区の東京カテドラル・ケルンホールで開催されました。加盟教団の役職者はじめ、同日本委の賛助会員、8月に京都で開かれるWCRPVIII(第8回世界宗教者平和会議)のボランティアら約150人が参加しました。今回は、WCRPVIIIの第2回事前学習会として実施されました。当日は、WCRP日本委員会平和研究所所長の眞田芳憲・中央大学教授がWCRPVIIIの概要を紹介。次いでパネルディスカッションが行われました。

同講座は、平和に向け宗教者と一般市民が共に学ぶことを目的に毎年開かれてきました。今回は、WCRPVIIIの開催を2カ月後に控えて第2回事前学習会として実施され、WCRPVIIIのメーンテーマが当日のテーマに掲げられました。
席上、開会のあいさつに立った庭野理事長は「テーマをどのように理解し、どのように関わっていくべきか論議を深め、日本の宗教者独自の視座から問題を掘り下げ、学び合う機会」と学習会の開催趣旨を述べました。
次いで、眞田教授が36年前の1970年に京都で開かれたWCRPI(第1回世界宗教者平和会議)の成果に触れながら、WCRPVIIIの概要を紹介。参加国数は、第1回大会の39カ国に対し、今大会は80カ国に上ることなどを説明しました。WCRPのメンバーだけでなく、他の宗教評議会、NGO(非政府機関)からも関係者が出席するなど大会規模は拡大し、「第1回の世界大会とは全く異なる様相を呈している」と語りました。
また、テーマにある「暴力」に言及。民族間、宗教間の暴力により多数の犠牲者、難民が発生していることなど国際社会で暴力が引き起こす諸課題を指摘しました。一方、日本国内で続発する生命の尊厳を無視した凶悪事件に触れ、「暴力は、世界の問題というだけでなく、私たちの足元の問題であり、私たちの心の問題である」と述べました。こうした国内外の問題を踏まえ、「今大会は、暴力をどう考え、すべてのいのちをどう守るかということについて話し合い、語り合うための場」とWCRPVIIIの意義を強調しました。
このあと、パネルディスカッションが行われ、奈良康明・駒沢大学名誉教授、薗田稔・秩父神社宮司、黒田壽郎・国際大学教授、西原廉太・立教大学助教授のWCRP日本委員会平和研究所所員4人がパネリストとして仏教、神道、イスラーム、キリスト教のそれぞれの立場で発題。山田經三・上智大学名誉教授(同平和研究所所員)がコーディネーターを務めました。
この中で、奈良教授は、諸宗教間対話の促進を焦点に発言。目的や意思を共有する宗教者同士の対話は円滑に進むケースが多いとする一方で、宗教協力や平和活動への関心が薄い宗教指導者との対話は困難であるとし、「関心を持たない宗教指導者や一般市民を対話に巻き込むための草の根レベルの活動が大切」と今後の課題を提起しました。
薗田宮司も宗教間対話に言及。宗教間対話は一般信者の間で展開することが望ましいとの見解から、対話を促進する効果的な手段として、中堅リーダー間の対話推進を提唱。「対話をリードすべきは各宗教のトップリーダーでなく、日頃から信者に触れている中堅リーダーであることが重要」と述べました。
黒田教授は、平和とその対極にある暴力を招く原因をそれぞれ緻密に分析することが、世界平和を実現する上で欠かせない要素と主張しました。争いの根源は、「自己中心の心」「自我の確立」「他者との関連性」「個」が大衆から切り離され、それぞれ孤立して考えられていることにあると指摘。平和には、献身の精神が不可欠との見方を示しました。
西原助教授は、ノーベル平和賞を受賞した南アフリカのデズモンド・ムピロ・ツツ大司教の言葉を引用し、同国の人種差別政策「アパルトヘイト」が長期にわたって続いた原因の一つに、宗教者が分裂していたことを挙げました。「世界の平和実現のためには、すべての宗教者が心をひとつにすることが必要条件」と語りました。
続いて、質疑応答が行われ、参加者と各パネリストの間で活発に意見が交わされました。
最後に深田充啓理事(円応教教主)があいさつしました。

(2006.06.30記載)