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2006年07月14日 「WCRP青年世界大会」に向けて――WCRP国際青年委員会委員長ジアド・ムーサ師に聞く

8月、京都で開かれるWCRPVIII(第8回世界宗教者平和会議)に先立ち、広島と京都で「WCRP青年世界大会」(8月21~25日)が開催される。テーマは本大会と同じく『平和のために集う諸宗教――あらゆる暴力をのり超え、共にすべてのいのちを守るために』。「青年大会」の開催はWCRPの歴史上、初めてのことだ。WCRP国際青年委員会委員長で、「青年大会」の運営委員長を務めるジアド・ムーサ師に、青年大会への抱負などを聞いた。(レバノン・ベイルートで)

――大会に向け、世界各地で「事前会議」が行われてきた。どのような成果があったか。

それぞれの会場に青年宗教指導者が集い、自国や地域の抱える問題について話し合ってきた。内容は問題の具体的な解決策や、平和構築に向けたさらなるアプローチにまで及んでいる。それぞれの会議が、青年自身のイニシアチブによって進行されたことに私は非常に意味があると考えている。「青年世界大会」は、そうした各地の代表の"積極性"が土台になって開催される。大いに期待してほしい。

――すべての「事前会議」に、本会の松本貢一青年本部長(WCRP国際青年委員会副委員長)をはじめ、日本人がオブザーバーとして参加した。日本人の果たしてきた役割は。

松本副委員長をはじめ、日本人が各地の「事前会議」に参加してくれたことに、まず感謝を述べたい。会議の運営・実務のサポートだけでなく、スピーチや交流を通して各自の信仰に基づいた精神、それぞれの宗教性など内面的なものの大切さを参加者に強く訴えてくれた。また、WCRPと各地の青年宗教指導者、そして大会のホスト国である日本の青年宗教指導者がパートナーシップを築けたのはとても重要なことだ。

――初の「青年世界大会」をどのようなものにしたいと考えていますか。

大会ではまず、21世紀に入ってからの5年間の変化を総括することが大事だと思っている。なぜなら、9・11の同時多発テロ事件以降、宗教の名の下に過激主義や狂信主義が横行し、世界各地でテロリズムが続発しているからだ。
私たちが目指すのは、世界平和だ。他者への寛容性、対話の促進といったことをどのように進めていくかを考察していきたい。またその他のさまざまな問題の解決も含め、建設的なロードマップを描き、まさに行動を起こすスタートの場としたいと考えている。

――本会の青年部員約1300人がボランティアとして大会の運営を直接的に支える。同時に開催費用の面でも大きな貢献をしている。青年たちにメッセージを。

まず、心から深く深く感謝を申し上げたい。立正佼成会の青年の皆さんは、平和の構築に向けた取り組みという私たちスタッフだけでなく、世界中の若者の大きなチャンレンジに、常に勇気を与え、後押しをしてくれている。皆さんの貢献はとても偉大であり、未来につながるものだ。
ボランティアについては、登録者の数を聞き、私は大きな驚きと感謝の気持ちが湧くのと同時に、頼もしさを感じた。実は私自身も、初めてWCRP世界大会に参加したのはボランティアとしてだった。大量のコピーをとる担当だった。確かに直接的には会議に参加できなかったし、単純な作業だったかもしれない。しかし私は、自分がコピーをとることで会議が行われる、議論が進むのだと思うと非常にうれしく、自分の仕事を誇りに感じた。
私はボランティアを務めたことで、多くの人や異なる文化と出会い、深い学びを得られた。皆さんにとっても、ボランティアの経験はきっと有意義なものになるはずだ。それぞれが素晴らしい時間を持つことを、私は心から祈っている。

(2006.07.14記載)