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2007年01月27日 「第36回全国教育者研究大会」開催

『真の教育者をめざして~自己をみつめ、生徒と心を通わす 学びから実践へ~』をテーマに教育者教育研究所(河村蓉洞所長)主催による「第36回全国教育者研究大会」が1月27、28の両日、法輪閣で行われました。全国から現職教師など524人が参加しました。

大会の冒頭、山野井克典理事長が本会を代表してあいさつ。続いて、河村所長が教育者教育研究所の「平成19年 年次方針」を発表しました。来年、設立40周年を迎える同研究所では2年前から設立者である庭野日敬開祖の精神、願いに立ち返り、教育の原点とは何かをあらためてかみしめる学びに重点をおいてきました。今年はその学びを実践へと移す年と位置づけ、大会ではより一層仏法を基に揺るぎない信念をもって教育に取り組む大切さが強調されました。また新たな試みである、「教育者青梅練成」の開催と2年後に設立40周年記念式典が予定されていることを発表しました。
この後、『教員の研修とは何か~「他者をどうするのか」の前に、「自分をどうするのか」を~』と題し、日本教育技術学会名誉会長の野口芳宏氏が講演を行いました。野口氏は、改正された教育基本法に家庭教育に関する条項が盛り込まれたことに触れ、家庭教育、社会教育の重要性を指摘した上で、教育再興のカギを握るのはあくまでも学校教育、教員の質と力であると強調。また、教育公務員特例法に『教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない』と掲げられていることを紹介し、これまで教師が、学力を向上させるための研究や子供たちをいかに善くするかという「他者改善」ばかりを行い、「自己改善」としての自己の修養を怠ってきたのではないかと述べました。さらに、教育が成立するための3つの要素として「信・敬・慕」を挙げ、子供と教師、保護者と教師の間に信頼関係が築かれ、尊敬に値し、慕われる教師でなければ教育は成り立たず、自己の修養、改善が求められると語りました。また自己の修養の手立てとして、「本を通して学び、想像力を高めること」「学ぶ心を持ち続けること」「観を磨く。ものの見方、感じ方、とらえ方を磨くこと」「異に学ぶ。意見の違う人、世代の違う人、職業の違う人など、さまざまな人から学ぶこと」「仲間を選ぶこと」「憧れを持つ。自分の理想、憧れを持ち、近づこうと努力すること」――の6項目を紹介しました。
この後、神奈川県の公立小学校教諭・長岐カツエさん(58)=大船支所=と、新潟県の私立中学校教諭・吉田武志さん(65)=新潟支所=が実践発表を行いました。
2日目には、学校法人佼成学園理事長の酒井教雄・本会参務が『法華経に学ぶ教育』をテーマに講演しました。酒井参務は、冒頭、機関誌『佼成』や一般紙の記事を紹介しながら、教師が子供たちに与える影響の大きさについて語り、「教師は子どもたちの未来をも決定づける聖職者であるとの認識が大切」と述べました。
その上で、法華三部経の経文や庭野開祖の著書を引用しながら、釈尊が個性豊かな弟子をたくさん抱え、その千差万別な弟子一人ひとりの仏知見を開かせようと慈悲心をもち、やる気を起こさしめ、相手にふさわしい教化を行ったことを紹介。「その記録集ともいえるのが法華三部経」と説明し、教師が生徒をどのように見て、触れ合っていけばよいかがあますところなく説かれており、教師の教科書として教育現場でも活用できると力説しました。
このほか大会では、参加者同士の「グループ別話し合い」が行われ、現場で直面している問題や事例などについて語り合いました。

(2007.02.02記載)