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2007年02月16日 WCRP国際青年委員会が「青年世界大会」後、初の役員会を開催

WCRP(世界宗教者平和会議)国際青年委員会(IYC)は2月16日から18日までの3日間、米国・ニューヨークのメリノール修道院で、「第1回WCRP青年世界大会」(2006年8月、広島、京都で開催)後、初の役員会を開催しました。同大会で選出されたIYCの新役員をはじめ、WCRP国際委員会からウィリアム・ベンドレイ・事務総長、スタイン・ビルムスタッド・副事務総長、杉野恭一事務総長補が参加。同国際委の要請を受け、松本貢一本会青年本部長(前IYC副委員長)が出席しました。

開会にあたり、ステラマリス・ムラーIYC委員長に続き、あいさつに立ったウィリアム・ベンドレイ・WCRP国際委員会事務総長は出席した役員たちに、「人類の抱えるさまざまな問題、課題に積極的に取り組む。特定地域の問題に対して他の地域の人が歩みより、解決や改善に向けて協力する。それがWCRPの役割です」と語り、新たな取り組みを始める青年たちを激励しました。また、IYCの強化、活動支援を目的とした「WCRP青年担当特別アドバイザー」職の設置を発表。国連「開発と平和のためのスポーツ」のジブリル・ディアロ博士と、松本貢一本会青年本部長の2人に就任を要請したことを述べ、役員もこれを承認しました。
続いて、各役員から青年世界大会以降の各地域ネットワーク(アジア、アフリカ、中東、北米、南米、欧州)での取り組み、今後の活動計画などについて発表が行われました。
南米は、地域の6つの主要な宗教の代表が参加する執行委員会、さらに25の宗教宗派の代表によるコーディネーター委員会の設立を報告。それらの委員会に参加する青年に対し、セミナーを通じて諸宗教対話・協力に基づいた教育を実施する意向も発表し、各役員の注目を集めました。
政情不安や対立関係にある国々を抱える中東からは、移動や情報交換に制約があることなど複雑な状況が示され、地域レベルでの活動の展開、拡大が困難であると説明されました。これに対し、他の役員からは同地域と友好関係にある日本など第三国の協力、また他地域でのミーティングの開催などが提案されました。一方、イスラエル国内ではユダヤ教徒、ムスリム、キリスト教徒の三者による対話・協力の実現に尽力していることが報告されました。
アフリカは、宗教者の指導者レベルの会議体に対して青年の参加枠を要求していること、WCRPの精神を啓発する活動の一つとしてアフリカ大陸を縦断する「PEACE BUS」の運行計画などを発表。アジアはフィリピンでの青年委員会の設立、また今夏にシンガポールで事後会議を予定していることなどを報告しました。このほか、現在のところ北米、南米のどちらの地域ネットワークにも属していないカリブ諸国へのアプローチの方法や、WCRPの地域、国内委員会、女性委員会との連帯などについても率直に意見を交換しました。
『広島宣言』に基づいたIYC全体としての活動計画については、さらに熱心な議論が繰り広げられました。役員たちはたびたび、「IYCの独自性を打ち出すこと」「IYCは行動指向型の組織体である」と発言。青年世界大会で芽生えた多くの仲間との連帯の重要性、彼らを善導するため、IYCが力強いリーダーシップを発揮する必要性を確認しました。
「国・地域レベルの青年ネットワークの構築、強化」「各界とのパートナーシップの構築」「コミュニケーション・ネットワークの確立」など6項目については当初、5年を実施期間としていたが、議論を重ねる中で、「行動指向型」であるIYCの特徴を発揮することを目的に「2カ年計画」に改定。①目標達成に向けた迅速な行動②役員、国際委員会やドナーによる行動の評価、測定③修正点や強化点を踏まえての行動展開、といった2カ年単位の取り組みを次回の世界大会まで継続することにより、一層効果的な活動ができるという結論に達しました。
また、近日中にすべての地域ネットワークの活動を網羅する、IYCのWEBサイトをWCRP国際委員会の協力のもとに製作することも決定。このほか、第2回のIYC役員会や小委員会の設立などについても討議が行われました。
閉会にあたり、杉野恭一・同事務総長補、松本貢一本会青年本部長があいさつ。松本本部長は役員らの熱心な議論を讃え、「多くの日本の青年たちと共に、これからも皆さんを応援していきます」と述べ、今後の活躍に期待を寄せました。
ステラマリスIYC委員長が「私たちは平和のために活動している一つの家族です。これからも家族として連絡を取り合いながら、活動を進めていきたいと思います」と謝辞を述べ、役員会は終了しました。

(2007.03.02記載)