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2007年02月26日 新宗連が結成55周年記念シンポジウムを開催

新宗連(新日本宗教団体連合会=庭野日鑛理事長)の結成55周年記念シンポジウム(協賛=現代における宗教の役割研究会)が2月26日、東京・千代田区の如水会館で開催されました。『よみがえる宗教――新しい役割を探して』をテーマに、加盟教団の代表者や宗教研究者による発題、パネルディスカッションなどが行われ、220人が会場を訪れました。

同シンポジウムは、宗教者によるそれぞれの教義、日々の信仰生活などに基づいた発言と研究者の分析を踏まえ、現代の社会状況や人々のニーズに応える"宗教の新しい役割"を創出することを目的としています。
開会あいさつに立った岡野聖法・新宗連副理事長(解脱会法主)は、オウム真理教事件から12年を経過し、同事件を発端とした宗教不信に隔世をおぼえる世代の存在に触れながら「宗教を伝えるべき時代が来ている」と述べ、宗教者自身が宗教の必要性を確認していくことの大切さを強調しました。
次に熊野隆規(隆は旧字)本会立川教会長、中江サチ・解脱会出版教学部次長が発題に臨みました。熊野氏は、戦後の核家族化や情報の氾濫に起因する社会的価値観の歪みに言及。日常生活に宗教が溶け込む中で、人の心に「感動」を創出する活動のあり方を模索する必要性を語りました。一方、中江氏は犯罪や自殺者の増加、環境破壊などの社会問題に対し、宗教者が一貫して「生命の尊さ」を主張することが宗教の担う役割と強調。「あらゆる宗教の基本である『祈り』の価値を見直すときを迎えている」と述べました。
続いて、やすいゆたか立命館大学講師、石塚正英東京電機大学教授がコメントを発表。やすい氏は、哲学者の立場から「祈る」という宗教の原点に立ち返ることが人々の生き方に求められているとし、「祈りの価値を伝えていくことが宗教の役割」と示しました。石塚氏は、現代社会には苦しみを共有する「共苦」の精神が必要であり、人と人との温もりある「絆」の重要性を宗教が伝えるべき、と述べました。
このあと、神谷昌道本会外務部次長がコーディネーターを務め、発題者4人をパネラーとしたパネルディスカッションが行われ、「宗教者の自己反省」「21世紀における人間関係」などを議題に討議が交わされました。

(2007.03.09記載)