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2007年05月29日 日中友好宗教者懇話会が発足40周年

日中友好宗教者懇話会の創設40周年記念式典が5月29日、東京・新宿区内のホテルで行われました。中国からは、中国国家宗教事務局の葉小文局長、中国佛教協会の学誠副会長をはじめ15人が出席。日本からは、同懇話会の小野塚幾澄会長、半田孝淳・天台座主、庭野日鑛会長はじめ仏教者ら約120人が集い、共に慶事を祝いました。

第二次世界大戦によって中断された日中仏教者の交流は、薬師如来像が再開の発端となりました。これは平和と友好のしるしとして1952年、中国佛教協会から日本の仏教者に贈られたものです。その後、宗派を超えた有志が中国人俘虜殉難者遺骨返還委員会を組織し、世界大戦で日本に強制連行され亡くなった中国人の慰霊と遺骨の送還を続けました。66年の中国文化大革命の影響を受け、再び交流が中断。翌67年、遺骨返還委員会が前身となり、日中友好宗教者懇話会が創立されました。日中の国交が正常化した72年をはさみ、これまで両国の友好に大きな役割を果たしてきました。
この日会場に設けられたご宝前には、中国佛教協会から55年前に贈られた薬師如来像が奉安されました。日中の代表者がそれぞれ登壇、友好と世界平和を祈念し法要を行いました。続いて、懇話会を代表して小野塚師があいさつ。学誠中国佛教協会副会長、半田座主、庭野会長が祝辞を述べました。
庭野会長はこの中で、30年前に同懇話会が派遣した訪中団に参加したことに言及。前中国佛教協会会長の故・趙樸初師との触れ合いを振り返りながら、「仏教の寛容の精神を根本に置き、お互いを尊重しながら、学び合い、支え合うことが、日中両国の本当の姿であります。趙先生のご足跡、先達による歴史がその大切さを示しています」と話しました。さらに、「一人でも多くの人に、平和な心を根付かせることは、私共の共通の使命」として常精進を誓いました。
式典後、『誠懇相待 平等対話 世代友好 共創未来』(真心を込めて互いに交流し、平等に対話を行い、世世代代の友好を深め、共に未来を創りましょう)と題し、中国国家宗教事務局の葉局長が記念講演しました。
葉局長はまず、懇話会を設立した先達に感謝を表しました。さらに、「歴史を大切にするのは恨みを残すためではなく、未来の友好のため」として、人材の交流、世界仏教フォーラムの開催などを提案。「中日の友好は世界平和に寄与するもの」と話しました。
なお、同懇話会常任理事の額賀章友氏が著した『日中仏教交流戦後五十年史』が中国語に翻訳され、記念式典の席上紹介されました。また、記念講演のあと祝賀会が行われ、中国の王毅駐日大使らがあいさつしました。

(2007.06.08記載)