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2007年07月07日 中央学術研究所の第16回講師研究会が開催

『人と人との絆のゆくえ――人間性回復への糸口を探る』をテーマに中央学術研究所の「第16回講師研究会」が7月7、8の両日、神奈川・箱根町のホテルで行われました。同研究所の講師、客員研究員はじめ、本会から山野井克典理事長、教団役職者ら合わせて70人が参加しました。

7日には、神奈川、静岡両県下の教会の会員を含めた130人を前に、「ロボットコンテスト」(ロボコン)の提唱者である東京工業大学の森政弘名誉教授が『三車火宅とロボットコンテスト』と題して基調講演を行いました。
この中で、同大学教授だった1981年、「学生たちの顔に希望がない、目が輝いていない」ことに危機感を抱き、授業に「行の世界を」と考えた当時の心境を吐露。ものづくりから多くの感動を得た体験に基づき、単一乾電池2個の動力で人間が乗る車をつくり、走らせる競技を実施したことを紹介しました。
「乾電池で走るか走らないか、こちらも分からない。それが良かった。『どうせ先生は答えを知っている』『本に答えがある』となると、勉強する気は起きない。誰も分からないとなると、学生に元気が出て、見違えるように変わった」と、ロボコンの発端となった経緯を説明しました。
その後、ロボコンを授業に採用した青森県八戸市の中学校で、子供たちがチームによるものづくりを通して、創意工夫の喜び、協力の大切さなどを学び劇的に変化したことに言及。三車火宅の教えに触れ、「ものづくりを通して、子供たちは三昧に入った。ロボットは簡単には完成しないが、つくりたいという欲求が、困難の山を乗り越えさせた。だから、"禁止"ではなく、やりたいという気持ちを奨励して人を救っていく考え方が大事」と語りました。
このあと、『人と人との絆の行方――大人はもっと子育てに時間を費やすべきではないか』と題して児童虐待の問題に取り組む甲津貴央弁護士が、『人間性回復のための学校教育の取り組み』と題して宮崎大学の添田佳伸教授がそれぞれ講演しました。
翌8日、参加者は3グループに分かれ討議したあと、全体総括に臨み、いのちの尊厳や、学校や家庭での教育のあり方について議論を重ねました。

(2007.07.13記載)