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2007年10月04日 「開祖さま入寂会」式典

「開祖さま入寂会式典」が10月4日、大聖堂はじめ全国各教会で行われました。大聖堂には会員約3500人が参集。庭野日鑛会長は法話の中で、「いのちの根源」を見つめる大切さを強調した上で、法縁に触れた者として布教伝道に努める重要性を示しました。式典の模様は、全国の教会に衛星中継されました。

庭野開祖の「お舎利」が奉安される「一乗宝塔」では、式典に先立ち「開扉の儀」が行われました。多くの会員が合掌姿で見守る中、庭野会長の手によって一乗宝塔の扉が開かれました。庭野会長、佳重夫人、庭野光祥次代会長、庭野統弘氏、山野井克典理事長、渡邊恭位布教本部長が献花台に花を手向けました。大聖堂での式典では、「献供の儀」が行われ、東京佼成ウインドオーケストラの演奏による『越後の子守唄』の調べに合わせ、青年女子部員16人がそれぞれの地域の名産品などを奉納しました。このあと、「開祖さまとの対話」の時間が設けられました。照明が落とされ、サヌカイトの音色が静かに響く中、会員たちは法縁に触れた感謝の思いをかみしめ、更なる精進の決意を新たにしました。続いて、光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、「報恩讃歎文」が奏上されました。庭野会長名による「報恩讃歎文」では、庭野開祖の遺徳を偲び、報恩感謝の念を表わすとともに、仏教徒としての使命感に立ち、更なる布教伝道に邁進することを決定。『何とぞ、私たちの菩薩行をご照覧くださいますように、世界の平和が招来されますように、人間世界のみならず、一切の生きとし生けるものが平安でありますように、慈悲の御手を差し伸べ、一切のご守護くださいますようお願い申し上げます』と結びました。次いで、庭野開祖の操車担当を12年間務めた仕えた小川侑男前銚子教会長が、『開祖さまを偲んで』と題し、庭野開祖の人柄を彷彿とさせる数々のエピソードを紹介しました。会員との触れ合いや車中での会話などを通してその大らかな人柄、常に泰然自若としていた様子を語り、「開祖さまの日常を思い起こしてみると、日々の言動が仏さまの教えのようでした」と述懐。「自灯明・法灯明をしっかりとかみしめ、一人の仏教徒として菩薩行に励ませて頂きます」と一層の精進を誓願しました。このあと、庭野会長が登壇。焼香を行い、法話を述べました。庭野会長は冒頭、小川前教会長の話に触れながら、庭野開祖から物事を大らかにとらえ、他者の喜びのために尽くすよう指導を受けたことなどを振り返り、「私たちは開祖さまのおかげさまで、法華経という教えに深く触れることができた、出遇うことができたのだと思います。現に私は、ご法の喜びというものを味わっておるわけであります」と語りました。次いで、涅槃経にある「一切衆生悉有仏性」に触れ、道元禅師の解釈を説明しました。「一切衆生悉仏性あり」ではなく、「一切衆生悉有は仏性なり」と読むことによって、人間だけでなく宇宙に存在するあらゆるものが仏性であると理解することができると詳述。「道元禅師がおっしゃっていることは、人間だけが仏性を持っているのではなく、動物も植物も山川草木ももうすべてが仏性であり、そのいのちの根源は一つであるということです。そこに法華経で説かれる、あらゆるものに合掌する世界が現れているのです」と語りました。さらに、そうした「いのちの根源は一つ」という視点に立つ大切さを強調。その上で、「私たちも開祖さまと同じいのちを頂いている一人ひとりであり、自らの心に喜びと安らぎを与えて頂けます。そういうことを教えてくださる仏教の有り難さを今、感じさせて頂いております」と語り、驕慢や卑屈の心を持つことなく、自らのいのちの尊さを見つめる大切さを説きました。また、「開祖さま入寂会」にあたり、報恩感謝の心で法の喜び、いのちの尊さを一層多くの人に伝えていく大切さを力説。「いま、ここ、われ。まず私から、自らが始発点となり始めていこうという気概が大事だと思います」と述べ、布教伝道の心構えを示しました。

(2007.10.12記載)