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2007年10月09日 新宗連結成55周年記念シンポジウム開催

『よみがえる宗教――新しい役割を探して』をテーマに、新宗連(新日本宗教団体連合会)の結成55周年記念シンポジウム(協賛・コルモス=現代における宗教の役割研究会)が10月9日、大阪市のコミュニティープラザ大阪で開催されました。新宗連加盟教団の信徒、会員など約300人が参加しました。

新宗連は今年、新宗連結成55周年記念事業として、同テーマのもと、2月のシンポジウム、その後の2回のワークショップを通して討議を重ねてきました。今回のシンポジウムはこれらを総括するもの。一連の催しは、宗教が本来備えている力を蘇らせ、宗教が果たすべき新たな役割を自覚し、社会の期待に応える一歩を踏み出す契機とすることを目的としています。シンポジウムの冒頭、主催者を代表して新宗連理事長の庭野日鑛会長があいさつしました。庭野会長は、現実を直視し謙虚に自らを振り返ることが「よみがえる宗教」の出発点との認識を示した上で、「時代相を踏まえながら、変わってはならないものは何か、そして変えるべきもの、変わってよいものは何かをきちんと見極め、宗教の役割を再認識することが今回のシンポジウムの大切な点」と述べました。続いて、神谷昌道・本会外務部次長からこれまでの討議の経過が報告されました。この中で、人々を教団に引き入れようとするのではなく、宗教者自身が地域に溶け込み、人々と苦しみを分かち合うことが大切だとする意見などが出されたことが紹介されました。この報告を受け、黒住宗道・黒住教副教主、岡田真美子・兵庫県立大学教授、ジャーナリストの北村敏泰氏がそれぞれコメントしました。黒住副教主は、今の社会に最も求められているのは「おかげさまの心」といった「宗教心」であり、信仰者ならではの温もりある身の行いであると強調しました。岡田教授は、現代の人々の宗教的な感性は弱まっているものの、決してなくなったわけでなく、無意識に宗教的な感情を抱いたり、宗教的な行為を行っていることもあると指摘しました。北村氏は、宗教を「シューキョー」と片仮名でとらえる世間的なイメージを紹介した上で、宗教の意義は真理を伝えることにあり、それを行う宗教者の役割に期待を寄せました。このあと、廣橋隆・新宗教新聞編集長をコーディネーターに、発表者によるパネルディスカッションが行われ、"共苦"の大切さ、現在ブームになっている「スピリチュアル」と本来の宗教との関係、蘇るべきは宗教、宗教団体、宗教者のうちどれかといったことについて議論が交わされました。

(2007.10.19記載)