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2007年10月21日 世界宗教者平和のための祈りの集い

『暴力の無い世界』をテーマに、第21回「世界宗教者平和のための祈りの集い」(主催・聖エジディオ共同体)が10月21、22の両日、イタリア・ナポリ市の聖カルロ劇場などで行われました。70を超える国々から約350人の諸宗教指導者、政治家、専門家たちが参集。本会からは渡邊恭位布教本部長が、また、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会の畠山友利事務次長が参加しました。

集いは、教皇ヨハネ・パウロ二世の呼びかけによってイタリア・アッシジ市で実現した「世界平和祈願の日」(1986年)の精神を継承し、世界の宗教者らが祈りを捧げ、対話・協力を通して平和実現を目指すものです。当日、開会式を前に、ナポリ市を訪問中のローマ教皇ベネディクト十六世が、集いの全参加者と謁見。スピーチの中で、「カトリック教会は、諸文化、諸伝統、諸叡智間における協調を促進し、対話の道を歩み続けていく」と述べました。特に、米国で発生した同時多発テロ後の世界において、アッシジの精神とは「あらゆる形での暴力と、暴力実行のための口実としての宗教の濫用に抗していくこと」と説明しました。開会式では、ミャンマーから亡命した仏教僧、ウッタラ師が「我が国の平和と自由、軍政の暴力と恐るべき抑圧の犠牲となった仏僧や市民のために祈る目的でここに来た」と発言。さらに、軍政の暴力に対し、仏僧や市民たちが「波紋のように拡がっていく優しさによって応じた」として、仏教の非暴力の精神を強調しました。イスラエル・ユダヤ教のラビ長であるメッツガー師は席上、「諸宗教者指導者によって構成される国連の創設」を提案。これに賛成するイスラーム指導者たちからは、「諸国家間での平和、諸宗教間における平和、人間と自然における平和を追求していく諸宗教の常設事務局の創設」に関する案が出されました。開会式後と翌22日午前には、『信仰と理性』『信仰と科学/現代の挑戦』『平和のために対話するユダヤ教、キリスト教とイスラーム』など、テーマごとに32の分科会が行われました。『暴力の無い世界のために/日本諸宗教の責任』と題する分科会では、渡邊布教本部長が、心豊かな人間社会を実現するための本会の活動やその精神を紹介。庭野会長の「心田を耕す」との指導、「一食を捧げる運動」や「みんなが幸せになって欲しい」との宮沢賢治の願い、WCRPを通しての本会の平和活動などについて、ナポリ市民らに説明しました。分科会を終えた諸宗教者らは、各宗教ごとに市内各地で世界平和を祈願し、閉会式会場となったナポリ市のプレビシト広場に向かって平和行進しました。閉会式で奏上された「平和宣言」は、「神の名によって悪と暴力を正当化することは絶対にできない」とのベネディクト16世のアピールに言及しながら、「神の名によって未だに殺し、テロ活動を蔓延させ、戦争する者たちに、止めよ! 殺すな! 暴力は皆にとっての敗北だ」と、再度アピールしています。なお、閉会式では、来年の集いがキプロス島で開催される予定だと公表されました

(2007.11.02記載)