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2007年11月22日 本会施設でIYCの第2回会議を開催

WCRP(世界宗教者平和会議)国際青年委員会(IYC)は11月22日から25日まで、横浜教会と普門館を会場にIYCの第2回会議を開催しました。同委員12人はじめ、WCRP国際委員会から杉野恭一事務総長補らが参加。WCRP日本委員会青年部会幹事長の松本貢一青年本部長がIYCアドバイザーとして出席しました。また、役員らは期間中、「WCRP日本青年部会35周年記念式典」と本会の「青年幹部大会」に参加しました。

2月に米国・ニューヨークで行われた初の役員会議に続き、2回目の開催となった今会議では、今後の行動計画について活発な議論が展開されました。またアジア、アフリカ、中東、欧州、北米、南米の各地域や国で新たにスタートした青年宗教者ネットワークによる取り組みが報告されました。役員らはそれぞれの地域が抱える紛争や差別などの暴力、気候変動をはじめとした環境問題の解決に向けた青年宗教者によるアプローチを模索しました。
会議では、地域ごとにさまざまな活動と成果が発表されました。アジアは、昨年行われたWCRP青年世界大会の『広島宣言』の具現化を目的に、9月にシンガポールで開かれた「WCRPアジア青年事後会議」内容を紹介。さらに、11月に韓国で実施された準備会議を経て、来年9月、「北東アジア青年宗教者会議」を北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)で開催する意向を示しました。
アフリカの代表による報告では、8月にタンザニアで同国大臣らが出席して行われた青年宗教者によるサミットの内容に触れ、アフリカ各国内ネットワーク構築を重点に議論が持たれたことが説明されました。ケニア、コンゴ、リベリアなどの貧困や少年兵の心のケアを目指した取り組みが明らかになりました。
中東のメンバーは、ヨルダン国内で難民生活を送るイラク人の子供を対象にした教育支援を紹介。イスラエル国内で6月に行われたユダヤ教、キリスト教、イスラームの学生が一堂に会した活動も発表され、他宗教への理解を深める契機となったことが強調されました。
南米の代表者は、WCRP青年世界大会の事前会議が開催されたアルゼンチンを中心に活発化する活動を報告。10月に暴力をテーマに開催した南米のネットワーク会議に触れ、青年宗教者の連携によって生み出されるさまざまな可能性と行動計画を示しました。
またWCRP国際委員会事務局が設置されている北米からは、他宗教への偏見から生じる差別や、地球環境問題の解決に向けた計画が紹介されました。
一方、欧州は、東ヨーロッパ地域の青年宗教者が集った5月のグルジアでの会議と、青年ネットワーク設立を目的に6月にチェコで行われた会合の内容を説明。今後、宗教者だけでなく、識者の参画も視野に入れて活動を推進する方向性を明らかにしました。
IYC全体の活動方針を決める目的で、グループ会合も催され、「プロジェクトとパートナーシップ構築」「コミュニケーション」「国内委員会構築」「アドバイザー構築」の部門に分かれ、議論が展開されました。
また、今後の行動計画を決定。

<1>IYCのウェブサイト作成
<2>主だった国際レベルの会議等への参画
<3>地域や国内ネットワークの設立と継続した活動を展開するためのマニュアルの作成
<4>気候変動など環境問題への取り組み
<5>紛争、差別などから生じるあらゆる暴力の解決
<6>2009年3月をめどにした30カ国以上での国内ネットワークの設立
――が決議されました。中でも、青年の国内ネットワークの早期拡充が重点目標とされました。
また来年7月に北海道で開かれる「洞爺湖サミット(主要国首脳会議)」に合わせて北海道で予定されている世界の宗教指導者による「G8諸宗教サミット」への参加を検討。さらに、来年度に実施するIYCの役員会議の候補地についても意見が交わされました。
最終日、役員らは、本会の「青年幹部大会」に出席した後、普門館国際会議室での閉会式に臨みました。席上、各地域の情報の共有化を図る側面から、インターネット回線を利用した会議を3カ月内に1度のペースで開催することが申し合わされました。
ステラマリス・ムラーIYC委員長は、メンバーに向けて「今後も、希望と勇気を持ってIYCの活動を推進していきたい」と話しました。続いてあいさつに立った松本本部長は、連日にわたって白熱した議論を展開したIYC役員に敬意を表し、「青年宗教者による取り組みがさらに前進することで、必ず世界の平和が実現すると思います」と述べ、今後の活躍に期待を寄せました。

(2007.11.30記載)