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2008年09月09日 WCRP日本委員会が「平和のための宗教者研究集会」を開催

『アジアにおける平和の創造』をテーマに9月9日、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会の「第35回平和のための宗教者研究集会」が神戸市中央区の生田神社会館で開催され、WCRP日本委の役員、賛助会員ら約250人が参加しました。研究集会は来月フィリピン・マニラで開かれる第7回ACRP(アジア宗教者平和会議)大会の事前学習会として位置づけられ、参加者は、アジアの課題に対する宗教者の役割を確認しました。

研究集会では、深田充啓WCRP日本委理事(円応教教主)が開会あいさつを述べたあと、宮本けいし同事務総長(妙智會教団理事長)が、第7回ACRP大会に参加する日本の正式代表者を紹介し、大会の概要を説明しました。
続いて、『現在のアジアの課題と宗教者に期待するもの』と題し、伊藤道雄アジア・コミュニティ・センター21代表理事が基調講演を行いました。伊藤氏は、アジアには発展した都市や観光名所などの華やかな面がある一方で、スラム街や、物乞い・路上生活をする子供たち、児童労働、人身売買、土地を持たない農民といった貧しい「もう一つのアジア」が存在すると説明。それらは経済活動優先の価値観が生み出した負の側面であり、その根底には人間の貪欲(どんよく)さがあるとして、「宗教者が愛、慈悲、施しなどの精神を発揮し、心を一つにして行動すれば必ず世界は変わる」と述べました。
このあと、『第7回アジア宗教者平和会議に向けて~日本委員会の役割~』をテーマにパネルディスカッションが行われました。眞田芳憲WCRP日本委平和研究所所長(中央大学名誉教授)がコーディネーターを務め、前島宗甫・日本基督教団牧師、徳増公明・日本ムスリム協会会長、狩浦正義・共の会代表(カトリック名古屋司教区司祭)がパネリストとして出席しました。
この中で、富や所得が一部の人々だけに流れるアンバランスな世界の社会構造を変える必要性や、貧しい人々の自立を促す中長期的な支援の重要性が指摘されました。また、日本の豊かな生活もアジアの食糧生産や資源、労働力の上に成り立っているとの観点から、日本の宗教者として世界の人々が共に生きられる平和な社会に向けた行動が求められるとの認識が示されました。
最後に、三宅光雄WCRP日本委常務理事(金光教泉尾教会長)が閉会あいさつを述べました。

(2008.09.19記載)