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2008年09月18日 庭野平和賞委員会がシンポジウムを開催

9/18 【庭野平和賞委員会がシンポジウムを開催】

『今日の宗教--チャレンジとチャンス』をテーマに「第2回庭野平和賞委員会シンポジウム」が9月18日午後、東京・港区の国際文化会館で行われ、約70人が参加しました。同シンポジウムの開催は昨秋に続くものです。庭野平和賞(庭野平和財団)の受賞者選考を担う庭野平和賞委員会の委員らがパネリストとなり、宗教界の現状と課題、平和に向けた宗教の役割などについて意見を交わしました。また、フロア参加者との質疑応答も行われ、宗教間対話や平和活動に取り組む宗教者の情熱などが話題に上りました。本会から庭野平和財団総裁で、同委員会の委員を務める庭野会長が出席し、シンポジウムの冒頭、歓迎のあいさつを述べました。

庭野平和財団は、2003年に「庭野平和賞第20回記念事業」として、宗教を基盤とした平和活動に焦点をあてた庭野平和賞の意義を、国内外により広く訴えていくことを目的に庭野平和賞委員会を創立。第21回から、各国で宗教協力や平和活動に取り組む同委員(現在12人)によって、庭野平和賞の受賞者選考が行われてきました。同委員会主催によるシンポジウムは昨年に続き実施されるもので、今回のテーマは『今日の宗教--チャレンジとチャンス』。宗教組織の自己批判、宗教が内包する分断の意識、いかにして市民社会にインスピレーションを与えられるかについて議論が交わされました。
冒頭、同財団総裁である庭野日鑛会長が歓迎のあいさつ。「宗教は、本来、主張するものではなく、帰依するものであるといえます。宗教によって表現が異なるとしても、根底には、共通する普遍の真理があるはずです。その真理に、本当の意味で帰依するとき、そこには、もはや対立はありません。真理に帰依する心、帰依する姿勢の中で、宗教者同志は自(おの)ずと一つになるといえるのです」と述べました。その上で、排他独善的な主張は平和を阻害し、分断を引き起こすと指摘し、「普遍の真理を愛の心・慈悲の心で伝えることが宗教者の役割」と強調しました。
このあと、同委員のドゥドゥ・ディエン氏(セネガル、イスラーム、国連人権委員会特別報告者)が基調発題。続いて、イルファン・アーメッド・カーン博士(米国、イスラーム、諸宗教対話世界イスラーム協議会会長)、クリスティーナ・リー師(イタリア、キリスト教、フォコラーレ運動本部)、プラ・マハ・ブーンチャイ・ドゥージェイ師(タイ、仏教、マハチュラロンコーン仏教大学講師)、キャサリン・マーシャル氏(米国、キリスト教、世界銀行・宗教倫理関係対話推進アドバイザー)、ローザ・オトゥンバイェヴァ氏(キルギス共和国、イスラーム、同国前外務大臣)、呉在植博士(韓国、キリスト教、アジア研究所所長)の各委員に、玉川覺祥師(日本、仏教、仏教NGOネットワーク代表運営委員)を加えた8人をパネリストにディスカッションが行われました。ヤスミン・スーカ氏(南アフリカ、ヒンドゥー教、南アフリカ人権財団理事長)がコーディネーターを務めました。

(2008.09.26記載)