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2009年09月05日 フォコラーレ運動のブスケット神父が講演

フォコラーレ運動(カトリック在家運動体)のメンバーで、神学博士のシント・ブスケット神父による講演会が9月5日、大聖ホールで行われました。  

今回の講演は、庭野日敬開祖を研究した同神父の著書『愛そのものにおいて出会う--キリスト者の目で庭野日敬を読む』が1日にイタリアのチッタノヴァ社から発刊されたことを受け、出版記念として実施されたものです。立正佼成会の教団役職者に加え、フォコラーレ運動や同神父が教壇に立った上智大学の関係者を含めた74人が参加しました。
今回出版された同書には、同運動創始者のキアラ・ルービック師と庭野開祖との親交に基づく同運動と本会との交流が紹介されるとともに、法華経の解説、加えて、キリスト教徒として法華経から学ぶべき思想が記されています。また、両師が交わした5通の手紙の内容が初めて紹介されました。
講演の中で同神父は、庭野開祖が1965年にカトリック教徒以外の宗教者として初めて第二バチカン公会議に出席した背景を紹介しながら、その意義を力説。教皇パウロ六世との謁見(えっけん)は庭野開祖がさらなる宗教協力の推進を強く決意する上で重要な出来事であったと紹介しました。
さらに、法華経の教えに基づき、宗教協力に尽くした庭野開祖の信仰と世界観を神学者の立場から解説。世界のすべては「創造主」によってつくられたとされるユダヤ教、キリスト教、イスラームの一神教と、仏教の信仰観、伝統は異なるものの、キアラ師が「一致」を、庭野開祖が「異体同心」を尊び、それぞれの違いを超えて協力に努めた共通点を紹介しました。その上で、「われわれは『万教同根』の意味を改めて確認し、「宗教成立の過程で生じた宗教観の違いを互いに理解し、認め合うことが大切」と述べました。

(2009.9.11記載)