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2009年10月01日 BNN「第2回公開セミナー」

立正佼成会と庭野平和財団が加盟するBNN(仏教NGOネットワーク)の「第2回公開セミナー」が10月1日夜、東京・港区の慶應義塾大学で行われました。今回のテーマは『仏教者の実践に活かす経済学知識~「仏陀(ぶっだ)銀行」の実践~』です。宗教者やNGO(非政府機関)関係者、研究者ら60人が参加しました。   

当日は、特定非営利活動法人「四方僧伽(しほうさんが)」を主宰する四恩山報恩寺の僧侶・井本勝幸師が講演しました。経済のグローバル化と高度な金融システムによって開発途上国で貧富の差が広がり、貧困者の生活がより苦しくなっている現状を指摘。カンボジアで地元の上座部仏教の僧侶と協力して進めてきた貧困者への自立支援に触れ、その草の根の活動がミャンマー(ビルマ)やタイ、インドなどに広がり、仏教徒のネットワークで展開されていることを紹介しました。
この中で、貧困者が高利貸しによる借金で、さらに苦境に追い込まれている状況に言及。農村や寺を中心とした共同体に「仏陀銀行」を設立し、各人の能力や技術を提供し合うための地域通貨の導入と、無利子の小規模融資によって自立を促す四方僧伽運動を詳述しました。仏教を基盤に「人間性を伴った復興を進め、互いの顔の見える、自立した地域社会の再構築を目指している」と語りました。
この講演を受け、慶應義塾大学経済学部長の塩澤修平教授が意見を発表。人間の一生でも、会社の運営でも、金銭を多く稼ぐ時期と使う時期は一致しないため、「この時間のズレを補い、安定を図るために『貸し借り』がある」として金融の意義、役割を紹介しました。また、金融ではどの取り引きでも時間の経過を伴い、返済にリスクが生じるため金利が生まれたと報告し、借り手の情報が少ないほど、金利が高くなると説明しました。
その上で、仏陀銀行が金利をとらずに、なぜ小規模融資を行うことができているかという点に触れ、「共同体の中で、借り手の顔が見え、情報が十分であることがリスクを回避し、融資を可能にしている。加えて、利子を求めない日本人の善意が元手になっているため」と指摘。活動が広がっていくには、「原資を大きくする善意の輪をどこまで広げられるか」「顔の見える融資がどこまでできるか」にかかっていると強調しました。

(2009.10.09記載)