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2010年04月23日 庭野平和財団が「水俣現地学習会」開催 公害からの再生学ぶ

庭野平和財団の「水俣現地学習会」が4月23日から25日まで行われ、韓国の研究者を含めた17人が熊本・水俣市を訪れました。

同財団はGNH(国民総幸福量)に関するシンポジウムを開催するなど、豊かさの意味を考える機会を提供してきました。同学習会はこの一環。水俣病の発生と住民間の対立を乗り越え、同市が環境モデル都市に再生した歩み、自然や伝統文化を生かして住民の自信につなげる施策を学ぼうと昨年から実施されています。
23日、水俣病センター相思社で、水俣の再生に努めた吉井正澄元市長の講演が行われました。同氏は、水俣病発生と国や県の対応が不十分だったために被害が拡大した経緯を説明。市の道義上の責任を認め、自らの謝罪から再生を図り、環境モデル都市となるまでの歩みを紹介しました。また、「村丸ごと生活博物館」「環境マイスター制度」の導入など住民の誇りにつなげる取り組みに触れ、心豊かな社会づくりの必要性を訴えました。
このあと、一行は水俣病歴史考証館、同市資料館、被害発生地域の親水護岸を訪問しました。
24日には、山間部の大川地区で、住民が進める「村丸ごと生活博物館」の取り組みを見学。午後には、水俣病の患者家族が水俣病の実情について講演。『GNHと地元学』をテーマに関西大学の草郷孝好教授による講義が行われました。
25日は、中央公民館で「地元学」の提唱者である吉本哲郎氏による講演を実施。地域にある自然や文化を生かし、住民を主人公にした発展の大切さを学びました。

(2010.5.7記載)