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2010年06月25日 よりよい政治の実現めざし、第22回参議院選挙の推薦候補者を決定

第22回参議院議員選挙に向け、都道府県単位の「選挙区推薦委員会」により検討されてきた選挙区の推薦候補者が決定しました。比例区の推薦候補者(「比例区推薦委員会」によって昨年末に決定)と合わせ、今回の推薦候補者は比例区2人、選挙区31人(6月23日現在)となりました。参議院選挙は6月24日に公示され、7月11日に全国で投票が行われます。

参議院選挙は、都道府県単位で実施される「選挙区」と各政党の得票数に応じて議席を配分する「比例代表」で争われます。立正佼成会では「選挙区」「比例区」の対応について個別に検討してきました。
選挙区は今年に入り、各ブロック、教会の運営会議などでそれぞれ対応を協議。支援活動を行うとした場合に、都道府県ごとに「選挙区推薦委員会」が設けられました。各推薦委員会では、2005年12月に定められた基本姿勢「五項目」(生命(いのち)の尊厳を守る、平和主義の推進、思想・良心・信教の自由を守る、政教分離の原則を守る、政治倫理の確立)に基づき、推薦候補者の検討に着手。総務局外務グループから立候補予定者の情報提供を受け、実際に同予定者と面談を重ねるなど綿密な協議を経て正式に推薦候補者を決定しました。6月23日現在、選挙区の推薦候補者は民主党(23人)、自民党(5人)、社民党(1人)、諸派・無所属(2人)の計31人となりました(※候補者名は、公職選挙法の関係で掲載は見合わせました)。
比例区に関しては、「五項目」を基準に理事会で対応を協議。いのちの尊厳や平和主義に深くかかわる政治課題が数多くある社会状況を考慮し、取り組むことを決定しました。
昨年後半、「比例区推薦委員会」(委員長=川端健之総務局長。教団役職者、教会役員17人で構成)を設置。「信仰心を持っている」「『五項目』を理解し、推進する意志がある」「行動的で実行力がある」など独自の基準を設けて検討を重ねました。最終的に2人(民主党)が決定されました。2人は新宗連(新日本宗教団体連合会)からの推薦も決定しています。

参議院選挙にあたって  理事長 渡邊恭位

国民の意思を政治に示す貴重な機会

7月11日、参議院定数の半数が改選される第22回参議院議員選挙が行われます。昨夏の政権交代以降、初めての国政選挙です。衆議院総選挙と異なり、「政権選択」が直接のテーマとはなりませんが、有権者の意思を政治の場に示す貴重な機会であり、今後の国の行方を左右する重要な選挙であることに違いはありません。
日本は戦後、世界有数の経済大国に成長しました。この間、モノの豊かさを追求し、経済の成長こそが幸せにつながると考えられてきました。しかし、今日、世界的不況後の経済再建が目指される中、年間の自殺者数は3万人を超え、失業者や低賃金で働かざるを得ない若者の増加など、これまでの社会構造の歪(ひず)みとも言える状況が現れています。効率性を求めるあまり、常に競争に駆り立てられ、挫折感や孤立感を抱える人は少なくありません。
私たちのいのちは、人と人とのつながりの中で生かされています。個人の自由は最大限に尊重され、保障されるべきですが、同時にすべての人が社会に対する責任を有していることを忘れてはなりません。個人の利益追求だけでなく、人間的なつながりを重視した、真の意味での「和」の社会、世界の創造に、さまざまな側面からアプローチしていくことが求められています。
とりわけ政治には、国民の生命と安全を守る役割があります。社会に漂う閉塞(へいそく)感の打開を政治に期待する国民の声が高まる一方、それを軽視したかのような政治家の言動が政治不信を招いています。国民は今、政治家に、自律心とともに、政治哲学を明確に示すことを求めています。特に「良識の府」と呼ばれる参議院の議員には、大所高所から将来を見通す見識が不可欠でありましょう。
政治が国民に及ぼす力は大きく、政治が間違った方向に進めば、私たちのいのちや生活が脅かされることになります。立正佼成会は社会の安寧や世界の平和に貢献していくことを目指しており、このことから政治の動向に関心を寄せてきました。「政治とカネ」の問題に対し、憂慮の声が高まった今年5月には、首相官邸を訪れ、『「政治倫理の確立」に向けて』と題した要望書を提出いたしました。今回の選挙に際しても、「生命の尊厳を守る」「平和主義の推進」「思想・良心・信教の自由を守る」「政教分離の原則を守る」「政治倫理の確立」からなる基本姿勢に沿い、取り組みを進めてまいりたいと思います。

一人ひとりが主権者としての自覚を

現在の日本は厳しい財政状況の中、雇用をはじめ医療、教育、福祉といった多くの課題を抱えており、自身の利益、特定の組織の利益を優先することなく、国民の幸せや世界の平和のために行動する議員が望まれます。
日本を立て直し、世界に貢献できる国として歩んでいくにはどうすべきか──そうした志、優れた政治哲学を持つ人物を国会に送り出せるかどうかは、とりもなおさず有権者である私たちの意識と行動にかかっています。宗教心や仏教精神を持った人が一人でも多く政治の場で活躍することが、よりよい国づくりにつながる。私たちは、このことをしっかりと踏まえてまいりたいと思います。周囲の人に棄権しないよう呼びかけ、政治への意識の高揚を図っていくことも大切な取り組みの一つです。
「私の一票が国をつくる」というしっかりとした自覚を持ち、お互いさまに国民としての責任を全うしてまいりましょう。

立正佼成会の「政治への取り組み」

第22回参議院議員選挙が7月11日に実施されます。立正佼成会では2005年12月に『政治への取り組み』をまとめ、発表しました。これに基づき、各人が政治のあり方を考え、主体的に取り組むことが確認されています。『政治への取り組み』にある基本姿勢「五項目」と「活動」、さらに参議院の選挙制度を紹介します。

《基本姿勢「五項目」》

本会は、以下の「五項目」を政治課題として掲げ、政府及び本会と関(かか)わる政治家にその実行を強く求めるとともに、自らもその実現に努力します。

1.生命(いのち)の尊厳を守る

○すべての生命を尊重し、思いやりと慈しみの心を育てる教育環境をつくる
○宗教的情操心を養うことを大切にするとともに、自らの心を耕し、生活の中心となる家庭をととのえる
○人為的な操作により、生命の尊厳が損なわれるような医療行為に反対する

2.平和主義の推進

○憲法の平和精神を堅守し、平和主義を第一とする
○非武装・非暴力を目標に、軍縮の推進を訴える
○非軍事分野の国際貢献を積極的に推進する

3.思想・良心・信教の自由を守る

○人々の平和と繁栄の礎である思想・良心・信教の自由を守る
※本会は、これらの自由を侵さず、また侵されないよう全力を尽くす

4.政教分離の原則を守る

○靖国神社国家護持・公式参拝に反対する
○直接、間接に関わらず、特定の宗教団体による政治上の権力の行使を認めない
※本会は、政党をつくらず、特定の政党・政治家を固定的に支持せず、また教団役職者を役職者のまま政治家にすることはしない

5.政治倫理の確立

○政治腐敗をなくし、政治家自身に倫理観の確立を求める
○宗教心をもった人格者たる政治家に、よりよい政治運営を期待する
※「国民は政治の主権者」としての自覚を持ち、政治倫理の確立に努める

《活動》

1.政治参加に向けた会員の意識高揚をはかる

政治をよりよくしていくためには、政治家を選ぶわれわれ国民自身の意識が大切です。会員が法華経を深く学びつつ、"国民が主権者"との自覚と関心を高め、政治の大切さを深く理解することができるような啓発に努めます。

2.投票率の向上への積極的な働きかけ

選挙権は、政治に直接参加できる貴重な権利であり、国民には、これを行使しなければならない重要な責任が課せられています。民意を正しく反映させるためには、投票率を上げることが不可欠です。よって本会は、会員のみならず広く一般にも、選挙権の行使を呼びかけます。

3.正しい世論づくりに努める

政治が誤った方向に進むことがないよう、政治の動向をよく見定め、正しい世論づくりに努めます。

4.よりよい人材を支援する

本会の基本姿勢「五項目」を正しく理解し、実践する代表者を選び、支援をするため、選挙への取り組みを積極的に行っていきます。推薦候補者は、それぞれの選挙に応じて組織される推薦委員会が決定します。推薦する候補者の選定は、人物を重視し、宗教への理解、基本姿勢「五項目」への正しい理解とその実績等を考慮して判断します。

5.政治家に仏教精神を伝える

政治家に、仏教精神を持って政治に取り組んでいただくため、日常の交流を通して政治家が自らの心を耕すことができる縁となれるよう努力します。

6.立法・行政への申し入れ

国民生活の基盤が脅(おびや)かされるような立法や行政に対しては、宗教教団に相応(ふさわ)しいあり方で対応し、行動します。本部が申し入れ(意見書等の提出)を行うとともに、教区・教会では、本部の申し入れに準じ、必要に応じて、地方の立法機関や行政機関に申し入れを行います。

《参議院の選挙制度》

1.参議院の定数

平成12年に公職選挙法の一部が改正され、参議院の定数は242人に定められました。参議院は3年ごとに半数が改選されるため、今回の改選数は121(選挙区73、比例48)です。

2.比例代表選挙は「非拘束名簿式」

比例代表選挙は「非拘束名簿式」で行われます。非拘束名簿式では、政党が候補者名簿を作成し、中央選挙管理会に提出します。しかし、それには順位は付けられていません。
有権者は、名簿に記載された候補者の個人名か、もしくは政党名を記入して投票します。候補者の個人名票と政党名票の合計得票で、その政党の議席数が確定。個人の得票の多い順に当選者が決まります。

3.期日前投票

投票日に仕事やレジャーなどの予定がある人は、選挙の公示日の翌日から投票日の前日までの間で、区役所、市役所、町村役場などで「期日前投票」ができます。投票時間は原則として午前8時半から午後8時まで。土曜日や日曜日も同じ時間に投票できます。

(2010.6.25記載)