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2010年09月09日 京都で第23回人権啓発基礎講座

新宗連(新日本宗教団体連合会)同和推進連絡協議会による「第23回人権啓発基礎講座」が9月9、10の両日、京都市の関西セミナーハウスで開催され、加盟教団から18人が参加しました。同講座は、差別のない、真に共生できる世界の構築に向け、人権問題を自己の信仰課題に据えることが目的。

9日、『いま学びなおす新しい部落史』と題し大阪市立大学人権問題研究センターの上杉聰特任教授による講演が行われました。上杉教授は、近年の研究から中世、近世の歴史に触れ、被差別部落の人々が社会から「排除」を伴う差別を受けていた状況を解説しました。また、排除を伴う差別が、子どもたちが相手を無視する「いじめ」に通じることから、日本社会に刷り込まれた差別意識を指摘。日常にある差別意識を見つめ部落差別の問題に目を向けていかなければならないと述べました。
続いて、社団法人部落解放・人権研究所理事の友永健三氏が『部落解放運動を歩んできて』をテーマに講演に立ち、これまでに起きた部落差別の具体的な事案を提示。問題を引き起こした個人が生来、差別意識を持っていたのではなく、身近な人からの伝達によるところが大きいと強調しました。その上で、差別意識は「個人の意識でなく社会的な意識であり、日常生活の中でそれとなしに口から口へと伝わっていく性質を持っている」と分析。社会変革に向けた今後の課題として、法律や条例の策定、国際社会との連帯などを挙げました。
10日には、DVD『仏性開顕-人権意識と私たちの信仰-』を基に学びを深めたあと、グループディスカッションが行われました。

(2010.9.17記載)