News Archive

2010年09月04日 インドで第33回IARF世界大会

『対立を超え和解へ──21世紀の挑戦』をテーマに「第33回IARF(国際自由宗教連盟)世界大会」が9月4日から7日まで、インド・ケララ州コーチのカトリックリニューアルセンターで開催されました。20を超える国から宗教者ら約600人が参集。立正佼成会は今井克昌理事を団長とする使節団を派遣し、バングラデシュ、スリランカ両教会の青年部員、学林本科生ら21人が参加しました。なお、総会では、赤川惠一総務局外務グループ次長が同連盟国際評議員に選任されました。

IARFは、諸宗教対話と協力を目指す組織として1900年に米・ボストンで創設されました。以来、宗教上の偏見を排し、信教の自由と宗教対話を求め、数年ごとに世界大会を開催。立正佼成会は69年に加盟しました。81年、オランダ・ライデンでの第24回大会の席上、庭野日敬開祖が第25代会長に就任し、84年には本会本部でアジア初の世界大会が開催されました。
4日の開会式では、トーマス・マシューIARF会長、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世、スクマール・アズィコデ博士(ナヴァバーラタベディ社会文化組織開祖会長)がスピーチに立ちました。この中で、同博士は、インド独立の父であるマハトマ・ガンディーの非暴力主義に言及。平和の実現には違いを超え、相手を認めていく姿勢が不可欠であると強調しました。
5日から7日までは、『人権促進のための宗教者の役割』『科学と宗教──両者は人類のために協力できるのか』『ヒンドゥー教徒・ムスリム・キリスト教徒──インドにおいて彼らは共存できるのか』の3テーマに基づき全体会議が行われました。UUA(ユニテリアン・ユニバーサリスト協会)のピーター・モラレス会長、財団法人広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長ら9人の講演を基に議論を深めました。
一方、会期中、信教の自由や宗教者の社会的役割に関する11のワークショップが開かれました。5日には、日本国内の同連盟個人会員で組織するIARF日本チャプターの委員長である酒井教雄本会顧問が『将来への考え 草の根運動のためのチャプター間交流』をテーマに講演。さらに、本会の法座をモデルにした諸宗教交流の場「サークルグループ」も連日実施され、参加者は26のグループに分かれ、プログラムで得た気づきや学び、自身の信仰観を語り合いました。
会期中の午前8時には各宗教の儀礼儀式による「朝の祈り」が設けられ、6日朝は本会が仏教を代表して儀礼を担当。両教会の青年部員を導師、脇導師に行われた読経供養には約100人が参加しました。このあと、今井理事が本会の教えを紹介。「信仰即生活」をモットーに、生活の中で教えを実践し、平和への願いを深めていると説明しました。
また、両教会の青年部員、学林本科生が休憩時間を利用し、「ARMS DOWN!」の署名活動を展開。記帳台を設け、多くの参加者に同キャンペーンの趣旨を説明しながら、協力を呼びかけました。
閉会式では、「追悼セレモニー」が行われ、IARFの発展に尽力した先達の功績が讃(たた)えられました。続いて、トーマス・マシュー師の後任として、三宅光雄金光教泉尾教会長のIARF新会長就任が発表されました。
なお、大会に先立ち、『女性による世界平和の実践 過去、現在、未来』をテーマにIALRW(国際自由宗教婦人連盟)が1日から4日まで、「IARF青年事前大会」が1日から3日まで同会場で行われました。

(2010.9.17記載)