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2011年04月07日 【ルポ】援助隊(善友隊)同行記 「被害は甚大だが温かい触れ合いの場だった」

援助隊(善友隊)に同行した『佼成新聞』記者が、訪れた石巻教会での会員との触れ合いを伝えます。

3月23日、援助隊(善友隊)の一員として石巻教会を訪れた。
石巻では、市の大部分が津波の被害を受け、海岸から約3キロに位置する同教会周辺は1メートル強の高さまで、水に浸かった。地震発生から13日目となるこの日、市街地の道路には土砂やがれきが山積し、畳や家財道具が歩道を埋め尽くしていた。被害の甚大さに言葉を失った。
同教会も津波で1階部分が床上38センチまで浸水。海水が引いたのは、地震発生から5日後のことだった。法座席はコンクリートがむき出しになっていた。泥や汚物が付着したカーペットがすべて廃棄され、再生の準備が進められていた。
午後からは、床上浸水した総務部長さんの自宅で、会員と援助隊による畳や家財道具の撤去作業が行われた。
地震発生当初から、教会には会員や近隣住民100人以上が避難し、部長さんら教会幹部が布団や食事を提供し、支援に当たった。部長さんはこの間、教会に泊まり込み、自宅に帰ったのは日用品を取りに戻った1回だけだという。
台所を片づけていた時、部長さんがつぶやいた。「これからどうなるのかな……」。その目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
家族を亡くした人、家を失った人--込み上げる悲しみや不安の中で、それでも被災者同士が思いを分かち合い、支え合っていこうとしていた。後日、部長さんは「今後のことは分からない。でも、みんながいるから笑顔で頑張れる。みんなの姿が私に力を与えてくれます」と話した。
援助隊として教会道場に滞在している間、避難していた住民が自宅に戻る、あるいは親戚宅に向かうため会員たちにあいさつしている、という場面を何度も目にした。その誰もが教会幹部の手を握り締め、「必ずまた来るから」「お世話になりました」と感謝の思いを伝えていた。
ライフラインも断たれ、孤立した避難生活の中で懸命に行われた支援活動、そして結ばれた絆。自らも被災しながら、避難生活を支えた教会幹部ら会員一人ひとりの温かい触れ合いは、多くの人々の心から消えることはない。(栗)

(2011.04.07記載)