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2011年05月12日 心かよわせ支え合うサンガの姿 原町、平、磐城各教会の現状と取り組み


原町教会の臨時拠点となった相馬市の会員宅。会員有志による当番修行が始まり、サンガとの再会に笑顔が広がる

東日本大震災、加えて東京電力福島第一原子力発電所の事故により幾重もの被害に見舞われた福島県。事態はいまだ収束に向かわず、原発から半径30キロ圏内の住民は、避難や屋内退避という生活を強いられています。県内の浜通りを包括する原町、平、磐城の各教会でも多くの会員が県内外に避難し、不安な毎日を送っています。福島県の人々の状況や会員たちの心情について狩野光敏福島ブロック長(福島教会長)に聞くとともに、3教会の現状と会員たちの取り組みを紹介します。

離ればなれでも思いはひとつ 原町教会

原町教会の包括地域では沿岸部が地震と津波により大きな被害を受けました。加えて、原発事故の影響が深刻です。全6支部のうち浪江、大熊、富岡、都路の4支部が福島第一原発から半径20キロ圏内に位置し、教会道場も30キロ圏内にあります。震災で自宅に居住できなくなった会員に加え、原発事故に伴う避難指示を受け、教会幹部をはじめ多くの会員が避難生活を送っています。
教会道場は会員の安全を考慮して、3月18日に一時閉鎖。4月4日から、30キロ圏外に位置する相馬市内の会員宅を臨時拠点にし、西村知久教会長と本部から派遣された援助隊(善友隊)のメンバーが避難所訪問、電話連絡などにより会員の安否や所在の確認にあたっています。現在、所在の確認が取れた会員は1割程度。自治体によっては避難所を転々とするケースもあり、ある主任は1カ月で9カ所の避難所移動を余儀なくされたといいます。
西村教会長らは訪問した避難所で、ご供養要具や機関紙誌を手渡しながら、着の身着のままで避難してきた会員の思いに耳を傾けています。ある年配の会員は「家が傾いていても、放射能の危険があってもやっぱり家に帰りたい」と涙ながらに打ち明けました。また、津波に襲われながら九死に一生を得た会員は、せきを切ったように体験を語り出したといいます。西村教会長は「皆さん、長期にわたる避難生活に疲れ、今の状況を受け止めるのに精いっぱいだと感じます。同悲同苦の心で聞かせて頂いています」と話します。
西村教会長のもとには連日、「教会は無事ですか」「支部長さんはどうされていますか」といったサンガが互いを気遣う電話が入ります。会員同士が電話をかけ合い、安否や所在を確かめ合っている状況です。「会員さんの元気な声を聞くと安心します。離ればなれになっても心はひとつ。どんなに時間がかかっても、すべての会員さんの所在を確認します」と西村教会長は力強く語りました。
5月の連休明けから、参加できる会員により臨時拠点での当番修行が始まりました。避難生活を送る会員たちが参拝できるように体制を整えています。

一つひとつの出会いを大切に 平、磐城教会


津波で被災した家屋から持ち出された思い出の写真を前に心情を語る平教会の会員。所在の確認に訪れた支部長はじっと耳を傾けた

一方、いわき市を包括する平、磐城の両教会でも、多くの会員が被災しました。平教会の楢葉、四倉、南の3支部、磐城教会の江名、小名浜東の2支部では、津波によって沿岸地域一帯の家屋が流失。また、原発の事故によって、半径20キロ圏内に暮らす平教会楢葉支部の会員ら約60人が水戸教会に一時避難したのをはじめ多くの会員が避難所や親戚宅に身を寄せました。
両教会は、会員の安全を考え、3月15日に教会道場を一時閉鎖。その後、平教会では竹野浩市教会長(平、磐城両教会兼任)と共に「ご本尊をお守りしたい」という壮年部長ら5人の会員が道場でお給仕やご供養の当番を務めるようになりました。
磐城教会は「ご本尊を参拝させて頂きたい」という会員の要望を受け、本部に職員の派遣を要請。3月31日から善友隊のメンバーと総務部長、壮年・学生部員らが教会道場の当番を務め、参拝が可能になりました。
両教会では4月15日から参拝が可能な会員により当番修行が再開されました。さらに支部長や主任らを中心に会員の安否、所在の確認が行われています。
津波により沿岸地域一帯が壊滅状態となった豊間地区を包括する平教会南支部では、支部長と支部会計が会員宅や避難所を訪れ、支援物資を手渡しました。家を失った悲しみや津波に襲われた恐怖など会員の思いに耳を傾け、心を寄せるとともに、全国の会員から寄せられた応援メッセージを伝え、励ましの言葉をかけています。
支部長は「会員さんだけでなく、物資を手にされた市民の方も応援メッセージに喜ばれています。思いを寄せてくださっているサンガの真心が、被災された方の大きな励みになっています」と話します。
竹野教会長は、「先の見えない状況だからこそ、今、一つひとつの出会いを大切にして、痛みに寄り添っていくことが大切だと感じています。いのちの尊さをかみしめ、サンガで支え合っていきたい」と語りました。


磐城教会で挙行された四十九日法要。104人の会員が参集して読経供養を行い、犠牲者の冥福を祈った


津波により甚大な被害を受けたいわき市の沿岸部。磐城教会の支部長らは被害状況を確かめながら会員たちの所在確認に歩いている


平教会に掲示された応援メッセージ。被災した会員たちの励みとなっている

(2011.05.12記載)