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2011年05月12日 狩野福島ブロック長に聞く

--震災から2カ月、福島の人々が置かれている状況は?

福島県東部の浜通りでは地震と津波によって家族を亡くし、自宅を流された方々が多くいます。それに加え、原発事故が発生し、先の見えない避難生活を送る一方、農作物などに対する風評被害もあり、四重の苦を抱えている状況にあると言えます。放射能による健康や生活への不安もとても大きなものです。

--甚大な被害と向き合う会員の心情は?

誰もが一日も早い事故の収束を願いながら生活しています。これは、福島県民の共通の願いに違いありません。
故郷にいつ帰れるか分からない苦悩を抱えながら、避難生活はすでに長期に及んでいます。農家や酪農家をはじめ多くの方が生活の糧を奪われ、先行きに対する不安は日増しに強くなっています。こうした状況の中、浜通りを包括する原町、平、磐城教会では、会員さんの安否確認を最優先に進め、ご法を依りどころに心を寄せ合い、現状に向き合っています。そして、3教会の活動をブロック全体で支援しています。
この場をお借りして、全国の会員さんからの物心両面にわたるご支援に心より感謝を申し上げます。
一方、会員さんの中には、原発の事故現場で作業にあたっている方々がおられます。放射線の影響が心配される中、いのちがけの作業です。ご家族は大変な思いで送り出し、支えられているのです。作業員の方々の献身には頭が下がるとともに、胸が締め付けられる思いがいたします。
私はこのたびの震災、原発事故に伴う事態をどう受け止めればよいのか日々考えてまいりました。
思いを巡らす中で、「佼成」の会長先生のご法話を拝読し、「いま、この一瞬を精いっぱい生きる」ことが大事だと改めて気づかせて頂きました。今、いのちある自らの役割を見つめながら、会員さんと共に教えを実践させて頂き、「まず人さま」の心で目の前の人とふれあいを重ねていけるサンガでありたいと願っております。

--全国の会員に向けてメッセージを

福島県の子供たちが避難先で中傷される、福島県民が移動先で嫌がらせを受けるといったニュースを見るたびに、悲しくて仕方がありません。
今、福島県の人々は北海道から沖縄まで全国各地に避難しています。皆が被災により、心に深い傷を負っています。住み慣れた、思い出深い故郷を離れなければならない苦悩や不安を、どうか思いやって頂きたいのです。そうした方々を明るく・優しく・温かく受け入れてくださることを心より願っております。
また、不慣れな土地で避難生活を送られている会員さんには、一人で苦しみを抱え込まずに、ぜひ最寄りの教会に足を運んでください、と申し上げたいと思います。必ず、皆さんをご本尊さまとサンガが温かく迎えてくださるはずです。

(2011.05.12記載)