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2011年07月20日 WCRP日本委員会 「原発事故と将来」テーマに学習会

WCRP日本委員会非武装・和解委員会の学習会が7月20日、普門館で開催され、『福島原発事故と世界の将来--民事、軍事を問わない核廃絶の実現へ』と題し、元駐スイス大使で地球システム・倫理学会常任理事の村田光平(みつへい)氏が講演しました。

村田氏は、福島の原発事故を踏まえ、同学会が発表した緊急アピール文を紹介。今回の事故は「人間の生き方の変革を迫る『母なる大地』の警告」との見解を示し、自然を統御・支配する科学文明は「力の文明」であり、過度の依存は人類を破局に導きかねないと指摘しました。その上で、生命の継承を至上の価値とし、調和や寛容などを特徴とする母性原理に基づく「いのちの文明」への転換が求められていると強調。「このパラダイム転換こそ、すべての民族が、そして人間と地球が共生する『和の文明』を築く基盤である」と述べました。
さらに、「日本はついに軍事利用・民事利用の双方で原子力の犠牲国になった」と話し、「脱原発」を日本が世界に訴える責務に言及。脱原発に向けた具体策として、原子力関係組織の抜本的改編や、独占的公益企業である電力会社の見直し、多消費型ライフスタイルの改革など6項目を提示し、「福島の原発事故を無駄にしないために、軍事利用、民事利用を問わない『核廃絶』を世界に訴えるべき」と語りました。

(2011.08.05記載)