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2011年09月09日 WCRP日本委員会 青年部会主催「サマーキャンプ2011」開催

WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会青年部会主催の「サマーキャンプ2011」が9月2日から4日まで、滋賀・大津市の天台宗総本山・比叡山延暦寺の延暦寺会館で開催されました。15回目となる今回のテーマは『Heart to Heart~今、私たちができることfrom比叡山~』。19教団から59人が参加しました。

同キャンプは、加盟教団の青年が相互理解と信頼を深め、宗教間対話と宗教協力による平和活動のあり方を探ることが目的です。
9月2日、開会式が行われ、平和の祈りに続き、小林祖承同寺副執行・総務部長があいさつ。「比叡山は長年、さまざまな宗教者が訪れ、対話を行ってきた場所です。皆さんも今回の交流の中で、多くの人からたくさんのことを学んでください」と述べました。
翌3日は、東日本大震災後に宮城県で被災者の心のケアを行ってきた日本基督教団仙台市民教会主任担任教師の川上直哉師が『被災地の心のホットライン』をテーマに講演を行いました。川上師は、今後被災者への支援の形を緊急的な物資面の支援から、長期的な心の支援へ移行していくことが必要と指摘。その上で宗教者としての役割に言及し、「ご家族を亡くされた方の思いに寄り添うこと、犠牲者の慰霊をさせて頂くことなどは、信仰を持つ私たちだからこそできることです。今こそ宗教者が一丸となって支援をしていく時です」と述べました。
このあと参加者は『被災地の復興』『人間関係』などのテーマに分かれ、ディスカッションを行いました。また夜には、「千日回峰(かいほう)行」の満行者、光永圓道阿闍梨(あじゃり)が参加者の前で信仰体験などを語りました。
4日には『宗教協力と青年』と題し、小堀光實同寺副執行・管理部長が講演。小堀師は宗教とは本来、人間にとって心の支えであり、生きる喜びであると強調し、宗教者が率先して周囲に喜ばれる生き方をすることが大切と述べました。また、人は自然から多くのいのちを摂取し、生かされている存在であると説明。「それぞれがいのちの尊さ、自然に対する感謝を忘れず、すべてのいのちを大切にすることが、宗教協力の第一歩」と語りました。
参加者は「他の宗教のことを学び、改めて自分の宗教を見つめ直すことができました。この学びをたくさんの仲間に伝えたい」と話しました。

(2011.09.09記載)