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2011年11月07日 教団付置研究所懇話会が第10回年次大会を開催

『宗教者である研究者が集える領域づくり』をスローガンに掲げる「教団付置研究所懇話会」の第10回年次大会が11月7日、東京・渋谷区の神社本庁大講堂で行われました。24の研究機関から約100人が参加。立正佼成会からは中央学術研究所の天谷忠央元所長(同懇話会顧問)と藤田浩一郎次長、深田伊佐夫青梅練成道場長らが出席しました。

当日は、神社本庁の吉田茂穂常務理事(鶴岡八幡宮宮司)が歓迎のあいさつ。続いて、金光教教学研究所の高橋昌之幹事が『日常から問われる生命と信仰』、中央学術研究所研究員として深田道場長が『環境地質システムにおける宗教の役割について』、曹洞宗総合研究センターの久保田永俊専任研究員が『被災地支援のための絵本、ビーズブレスレットを用いた傾聴プロジェクトについて』と題し、それぞれ発表しました。
この中で深田道場長は、世界で発生する地震の10%が日本で起きており、降雨などによる自然災害も多い国土と説明しました。その上で、神奈川・川崎市の多摩川流域の調査結果を踏まえ、古来、「荒ぶる神の鎮護や自然に畏敬(いけい)の念を抱く信仰観が生まれた」と指摘。災害多発地での社寺の建立、治水や利水を目的とした祭礼などを通して防災に努めてきたと報告しました。
このあと、同懇話会が10年を迎えたことを記念し、天台宗総合研究センターの雲井昭善師、曹洞宗総合研究センターの奈良康明師、浄土宗総合センター所長の石上善應師による鼎談(ていだん)が行われました。3師は、各研究所間に交流がなかったこと、一方、オウム真理教事件や米同時多発テロに対し共通の問題意識を有していたことなどが発足につながったと指摘。現実の社会に生かす交流を続けてほしいと期待を寄せました。

(2011.11.18記載)