News Archive

2012年02月10日 一食平和基金運営委員会 被災地支援へ会員の浄財5億109万4060円


救援・復興活動を行うNGOに対しても浄財を寄託した(写真は、石巻市内でのピースボートの活動)

立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会(委員長・沼田雄司教務局長)はこのほど、東日本大震災の被害に際し同基金の支援対象となった自治体、NGO(非政府機関)など拠出先、金額をまとめ、拠出総額が5億109万4060円となったと発表しました。同基金は会員の「一食を捧げる運動」の実践によって寄せられた浄財で運営されるものです。拠出先、拠出額の一覧と併せ、沼田委員長から寄せられた会員へのメッセージを紹介します。

東日本大震災 一食平和基金支援先一覧はこちら


一食運動の精神を伝え、各自治体に見舞金を手渡した(写真は、昨年4月6日、福島県自治会館)

立正佼成会では同震災の被害の甚大さや被災地域が広範に及んだことを受け、昨年3月23日、緊急支援として同基金から総額5億円の拠出を決定しました。
同運営委員会によると、最終的な拠出総額は5億109万4060円。
自治体への見舞金の総額は3億7千万円で、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉の7県の災害対策本部をはじめ111の市町村の災害対策本部に手渡しました。
このほか被災地でさまざまな支援活動を展開する11のNGO、石巻市など沿岸部の水産業の再興を目指す漁業協同組合、水産加工業協同組合に対しても支援金を寄託しました。
また、本会の直接的な被災地支援として、初期段階における救援物資の購入や善友隊(職員派遣、会員ボランティア)の活動費などにも浄財を活用。東京佼成ウインドオーケストラによる被災地でのチャリティーコンサートの開催を支援したことも報告されました。
なお、同運営委員会では被災地に対し、今後も継続してさまざまな形の支援を行っていく意向です。

会員の皆さまへ

本会一食平和基金運営委委員長
沼田雄司 教務局長

昨年3月11日の東日本大震災に際し、一食平和基金より緊急支援として5億円を拠出させて頂きました。一食平和基金は言うまでもなく「一乗の教え」を根本とした、会員の皆さまの日頃の「一食を捧げる運動」の地道な実践によって運営されています。未曾有の災害に見舞われた被災者の生活再建や地域の復興に、皆さまの祈りと真心が込められた尊い浄財を速やかに役立ててもらいたいと願い、決定をさせて頂きました。ご報告とともに深く感謝申し上げます。
具体的な使途としましては、緊急救援物資の購入などに始まり、被災した118の自治体に対しては「見舞金」を贈呈しました。各自治体へは渡邊恭位理事長さんはじめ各ブロック長さん(現・支教区長)らが直接に足を運び、一食運動の意義や実践のあり方などについてしっかりとお伝えし、手渡してくださいました。また、被災者支援、被災地の復興に取り組む11のNGOなどにも浄財を寄託しました。
音楽を通じて地域の未来を担う中学生や高校生を励ましたいと、東京佼成ウインドオーケストラが被災地で行ったチャリティーコンサートの開催費用も支援させて頂きました。特筆すべき点としては、沿岸部の基幹産業である水産業の再開を重視し、石巻市など五つの漁業協同組合や水産加工業協同組合に支援金を贈呈させて頂いたことが挙げられます。
ある県の知事さんは、私が見舞金をお届けすると、すでに一食運動についてよくご存じで、浄財を受け取られるにあたり、非常に感激し、感謝しておられました。そうした姿を目の当たりにし、会員の皆さまの真心をお届けするという私自身のお役の重みを改めて確認させて頂いたものでした。
一方、全国の会員の皆さまからもお手紙やお電話などで、貴重な浄財が迅速かつ有効に活用されていることへの喜びや、日頃の実践の尊さや大切さが一層理解できたといった有り難い声をたくさん寄せて頂きました。
一食運動は1975年にスタートし、今年で37年目に入ります。この間、本当に多くの皆さまが祈りを込め、コツコツと実践を続けてくださったおかげさまで、今回のような緊急時に支援を必要としている方々に迅速に浄財をお届けすることができたのだと、感慨を禁じ得ません。改めて深く御礼を申し上げます。
被災地の復興にあたっては、長期にわたる支援が必要です。今後も一食平和基金をはじめさまざまな形で、全国の皆さまとともに被災した方々に心を寄せてまいりたいと思います。
昨年の平和基金の運営について併せてご報告させて頂きますと、当初予定しておりました事業への助成、拠出と併せ、国内外で発生した自然災害などを受け、緊急支援として総額1923万3千円を自治体やNGOなどに委託し、困難な状況に置かれた方々の援助活動などに役立てて頂きました。
さらにこのほど、海外で難民や子供たちの救援活動を展開する七つの団体に対し、総額500万円の助成を行いました。東日本大震災に多くの人の関心が集まる一方で、海外で活動する団体の資金が集まり難い状況が生じているのを受け、外部の方と共に客観的な視点で審査をし、決定した次第です。
こうしたことの成果や意義をかみしめることにより、私たちは「祈り」「同悲」「布施」を基本精神とした一食運動の実践によって、今、この地球という一つの乗り物の上で共に生かされている多くの人に思いを寄せることができるのだと、確認させて頂きます。本当に尊く、有り難く、一食運動に誇りを感じずにはいられません。同時に、立正佼成会の会員であるがゆえに、そうしたご縁を頂けたのだということにも気づかされます。
今後もお互いさまに「一食を“平和のために”捧げる運動」に一層誇りを持ち、実践と推進に努めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

(2012.02.10記載)