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2012年07月23日 WCRP日本委女性部会 『いのちに関する学習会』

WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会女性部会(部会長=森脇友紀子カトリック東京大司教区アレルヤ会会長)が7月23日、東京・千代田区の幼きイエス会ニコラ・バレ修道院で『いのちに関する学習会』を開催し、加盟教団の信者や信徒、市民ら50人が参加しました。立正佼成会から同委員会会長(評議員会議長)の庭野日鑛会長らが出席しました。

同学習会は、宗教をもつ女性として「いのち」の尊厳を伝えていくことや、実存するさまざまな暴力の解決方法を女性の視点から考え、行動を起こすことを目的に、2008年から実施しているもの。今回はカトリック司祭で上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケン師が、『いのちの教育』をテーマに講演しました。
デーケン師は、「死」について考えることが、限りあるいのちの尊さを考えることにつながると強調し、自身が長年にわたって取り組んでいる「死への準備教育」の意義を解説。昨今の自殺者の増加、いじめなどの問題に触れながら、「人類共同体の一員としての連帯感」「他者の苦しみを思いやる温かい心」「自分の悩みを客観的に省察する訓練」の重要性を示しました。
その上で、ドイツでは過去20年間で自殺者の数が半減したことに言及。その理由として、小学1年生から大学1年生まで毎週1時間、いのちの尊さを伝えることを目的に宗教教育が行われていることを挙げ、宗教、宗教者の持つ役割を訴えました。併せて、家庭においても「死」をタブー視してはならないと強調。子供が幼少であっても、身近に起きた「死」などを貴重な教育機会とする大切さを語りました。
また、自他のいのちを尊ぶための「ユーモア教育」を推奨。「ユーモアの原点は、思いやりと愛です」と述べ、他者と温かい関係を築くことに資するほか、自らが悲しみや苦しみの中にあるとき、ユーモアの再発見が新たな希望となると力説しました。

(2012.08.03記載)