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2012年08月15日 「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典 いのち慈しみ合う世界を


庭野会長は法話の中で、一人ひとりが怒りや怨みの気持ちをなくし、心を平安にすることが平和につながると強調した

67回目の終戦記念日を迎えた8月15日、大聖堂はじめ全国各教会で「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典が行われました。大聖堂には会員約2千人が参集。第二次世界大戦をはじめとするすべての戦争犠牲者に哀悼の誠を捧げ、いのちの尊さをかみしめるとともに、現在も各地で続く争いの終結と恒久平和を祈念しました。


式典参列者は平和実現への祈りを込め、折り鶴を奉納した

庭野会長が法話 心を平安に、日々精進

式典では、佼成合唱団による奉献曲『いのち』の調べに合わせ、東京東支教区の学生部員16人が奉献の儀を行いました。次いで、庭野光祥次代会長導師による読経供養が営まれ、庭野日鑛会長名の「回向文」が奏上されました。
「回向文」では、「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」という宮沢賢治の言葉を引用しながら、内省、サンゲをもととした仏道修行を誓願。また、庭野日敬開祖の「危険を冒してまで武装するよりも、むしろ平和のために危険を冒すべきである」という第一回国連軍縮特別総会での発言を「世界的な視点からはもちろんのこと、私たち個人にとっても大きな意味を持つ」と示し、一乗精神を眼目として日々精進する決意を表しました。さらに、東日本大震災の犠牲者を悼み、被災地の早期復興を祈願しました。
このあと光祥次代会長が焼香を行い、折り鶴を奉納しました。
次いで、会員代表が体験説法に立ち、「平和とはどんな状態か」について自問したり、青年部の先輩と話し合ったりした体験を詳述。その中で、学ぶ大切さや相手の立場で物事を見ていく重要性に気づいたと発表しました。
最後に庭野会長が登壇し、焼香と献鶴を行ったあと、法話を述べました。この中で「一切衆生悉有仏性(いっさいしゅじょうしつうぶっしょう)」という言葉の意味について、「この世に存在するあらゆるものが仏性である」という道元禅師の解釈を紹介。その上で、一人ひとりのいのちが宇宙全体の一部であると語り、さらにこれを人間関係や国際関係に当てはめ、「敵ではなく、みんな味方。そのような捉え方をし、怒りや怨(うら)みをなくして慈悲の心で交流していくところに、本当の平和が訪れると釈尊は私たちに教えてくださっています」と説きました。
また、「人間は皆、宇宙的な真理というものをキャッチする能力を持っていると言われています」と述べ、その自覚に立ち、絶えず精進する重要性を強調しました。
なお、式典に先立ち、坐床上で参加者による折り鶴の奉納が行われました。

(2012.08.24記載)