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2012年10月20日 シンポジウム「震災と子ども」 長期的支援 語り合う

国際宗教研究所と東洋英和女学院大学死生学研究所によるシンポジウム「震災と子ども」が10月20日、東京・港区の東洋英和女学院大学大学院で行われました。宗教者、研究者、学生ら58人が参加。同研究所の賛助会員として加盟する中央学術研究所の川本貢市所長、藤田浩一郎学術研究室室長が出席しました。

当日は、同大学准教授の前川美行氏、日本同盟基督教団徳丸町キリスト教会牧師の朝岡勝師、老人ホーム自生園総施設長で高野山真言宗別格本山那谷寺(なたでら)副住職の木崎馨雄師が、東日本大震災での支援活動を報告しました。
この中で、『こころを守り、育てること――安心とは』と題して講演に立った前川氏は、臨床心理士の立場から、被災者の心のケアについて言及しました。被災者が災害直後につらい体験を語ることによってストレスの回避を図る「心理的デブリーフィング」は、つらい出来事の再体験になる危険が高いとして、近年は回避されるようになったと指摘。支援者は被災者と安心感や信頼感のある関係と空間を整え、「被災者の気持ちや言葉を、ねぎらいと共感を持って受けとめることが大切」と述べました。
続いて、『いと小さき者への奉仕――子どもと地震・津波・原発事故』と題して朝岡氏が、『子ども達に救われた震災支援』と題して木崎氏が講演。福島県の子供を対象に行っているキャンプや読み聞かせなどの保養プログラムを紹介し、長期的な支援の必要性を語りました。

(2012.10.26記載)