News Archive

2012年11月30日 第46回衆議院選挙 有権者の責任を自覚し、主体的に

「第46回衆議院議員総選挙」の投票が12月16日、全国で行われます。全国各支教区、教会では2005年に発表された『政治への取り組み』にある「よりよい人材を支援する」に沿って小選挙区での対応を協議。「支援する」と判断した教会では推薦委員会を設け、推薦候補者の検討が進められています。同選挙に際し、渡邊恭位理事長が『第46回衆議院議員総選挙にあたって』と題する談話を発表しました。

衆院小選挙区で「よりよい人材を支援する」と決めた教会では、推薦委員会を設け、立正佼成会の基本姿勢「五項目」(生命(いのち)の尊厳を守る、平和主義の推進、思想・良心・信教の自由を守る、政教分離の原則を守る、政治倫理の確立)に基づき、推薦候補者を検討。さらに、教団から今年6月に発表された『真に豊かな社会をめざして――原発を超えて』と、11月の『「憲法改正」に対する見解~憲法の「平和主義」を人類の宝に~』を踏まえ、実際に立候補予定者と面談し、推薦候補者が決定されます。
また、各教会では、政治の役割の大きさを確認し、その意識の高揚を図るとともに、「投票率の向上」などの取り組みを実施しています。

第46回衆議院議員総選挙にあたって 立正佼成会理事長 渡邊 恭位

第46回衆議院議員総選挙は12月4日に公示され、16日に全国で投票が行われます。
総選挙では、消費税増税、外交と安全保障、TPP(環太平洋経済連携協定)といった課題への対応が主な争点になると言われ、一つの課題だけを大きく取り上げて有権者に訴えている政党も見受けられます。現在の日本にはこのほか、東日本大震災の被災地の復興をはじめエネルギー問題、少子高齢化社会への対応、経済格差の是正など政治の取り組むべき課題が山積しています。
一方、今回の衆議院の解散は、多くの国民にとって唐突感を否めないものでした。政党の乱立状況も生まれ、離合集散が繰り返される中、どこか浮き足立った雰囲気のまま事実上の選挙戦がスタートした感があります。こうした時こそ、私たちは宗教者、信仰者としてしっかりとした理念に基づき、冷静に対応していかなければなりません。
本会は、すべての人の尊厳が守られる調和のとれた世界、「一乗の世界」を目指し、「平和・社会活動」の一環として「政治への取り組み」を進めています。基本姿勢「五項目」を政治課題に掲げ、その実現に努めてきました。今回の選挙に対しても、この基本姿勢は変わりません。
また、教団は今年6月、昨年の東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、声明『真に豊かな社会をめざして――原発を超えて』を発表しました。持続可能な世界を守っていくには、一人ひとりが物質的、経済的豊かさのみを幸せの源泉とする生き方を見つめ直し、エネルギー政策についても真剣に考えていく必要があると認識したからです。
さらに11月には『「憲法改正」に対する見解~憲法の「平和主義」を人類の宝に~』を表しました。憲法を改定し、軍事力やその行使権の拡大を図ることは新たな対立を招きかねず、日本の真の利益になるとは思えません。宗教協力を通して信頼の醸成に努めてきた本会としては、平和憲法の理念を大切にし、軍事力に代わる平和の保障をつくっていくことが現代人の責務であると信じます。この点もしっかりと踏まえ、選挙に向き合いたいと思います。
先程も触れましたが、今回の選挙では、近年に見られないほど多くの政党が選挙に臨んでいます。政策の違いが必ずしも明確ではなく、有権者からは「どう投票していいか分からない」といった声も聞かれます。しかし、だからこそ、地元の活性化や日本の利益のみならず、世界全体の幸福を考え、将来を見据えた政治家を「人物本位」で選んでいくことが、一層求められるのではないでしょうか。
有権者の選択によって今後の政治が決まるのですから、私たちは国の主人公として主体的、自主的に行動していかなければなりません。周囲の人々には、政治に対する有権者の責任と自らに与えられた「一票」の重さを伝えることも大切です。布教伝道を通して人々の悩みや苦しみ、そして願いに向き合ってきた私たちは、あらゆる人の救われを念じ、お互いさまに貴重な一票を投じて責任を全うしていきたいものであります。

(2012.11.30記載)