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2012年11月25日 「対話と音楽の集い」シンポジウム WCRP日本委、新宗連が協賛

宗教者災害支援連絡会など3団体による「対話と音楽の集い 東日本大震災とこころの平和」が11月25日、東京・文京区の東京大学弥生講堂一条ホールで開催されました。WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会、新宗連(新日本宗教団体連合会)が協賛。400人が参集し、立正佼成会から赤川惠一外務グループ次長が出席しました。

同集いは、一人ひとりの命、生活、尊厳を守る「人間の安全保障」と平和を求める宗教とのかかわりについて考えることが目的。第1部では、『3・11以降の人間の安全保障と心の平和』をテーマに基調講演とシンポジウムが行われました。
基調講演に立った全日本仏教会前会長の河野太通・臨済宗妙心寺派管長は、産業革命によって物質的な豊かさを手にしたものの、原子力発電といった脅威が生みだされ、人々は思いやり、親切心といった内面の豊かさを失いつつあると述べました。その上で「喜怒哀楽といった自らの感情を見つめることができる人が“善き人”」と語り、内面を見つめる大切さを強調しました。
現代は、自己を見つめる機会が減少した「自己喪失社会」であると指摘し、「真理に対して畏敬(いけい)の念を持ち、欲望を抑え、“足るを知る”の精神で生活していくことが望ましい」と話しました。
続くシンポジウムでは、パネリストとしてWCRP日本委員会の杉谷義純理事長(天台宗寛永寺圓珠院住職)、高木慶子上智大学グリーフケア研究所所長、同支援連絡会代表の島薗進東京大学大学院教授が出席しました。
この中で杉谷師は、WCRP日本委の活動目標である「共にすべてのいのちを守るための祈りと行動」に触れ、安全保障は、一人ひとりの命の尊厳を守る視点でとらえていくべきと指摘。科学技術の発展と利便性を求める人間の欲求により、自然の調和が崩れてきたとして、「自然環境といった、生きとし生けるものすべてが守られなければならない」と語りました。第2部では、「被ばくピアノとバイオリンコンサート」が行われました。

(2012.11.30記載)