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2012年11月26日 中央学術研究所・外務グループ 中国政法大学 夏華教授を招き講演会

中央学術研究所と外務グループ主催による講演会が11月26日、普門館国際会議室で行われました。当日は『日中間の平和醸成の可能性をめぐって~憲法と宗教の役割を中心に~』と題して中国政法大学の夏華教授が講演。教団役職者ら20人が参加しました。

夏氏は、中国では憲法によって信教の自由を公民の基本権と定めているものの、実際は仏教、道教、イスラーム、キリスト教、カトリック教会の五つの宗教活動しか正式には認められていないと説明。日本の「宗教法人」のような制度がないため、宗教団体は社会団体として扱われており、各団体は政府の認可による厳しい管理体制のもとで、「多くの宗教、社会団体は民間組織として活動できず、官でもなく民でもない性質を持つ」と話しました。
その上で、最近では、政府と宗教団体の密接な関係性に疑問を持つ一部の人々が、所属する宗教宗派から独立して自らの団体を設立する動きが増えていると指摘。一方、新たな社会団体の設立は政府によって厳しく制限されているため、多くの団体が「違法教会」「地下教会」として活動していると説明し、信教の自由と憲法のあり方について今後の課題を示しました。
続いて質疑応答が行われ、中国における政教分離の問題や宗教活動の制限、子供たちの教育などについて活発な議論が交わされました。

(2012.12.07記載)