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2013年03月13日 WCRP第9回世界大会 今年11月オーストリアで開催


WCRP日本委理事会の席上、第9回世界大会の開催概要が発表された。京都での前回大会以来、7年ぶりの開催となる

WCRP(世界宗教者平和会議)の第9回世界大会が今年11月19日から21日まで、オーストリア・ウィーンで開催されることになりました。前回大会(京都)以来、7年ぶりとなります。国際執行委員会の承認を経て決定し、3月13日、京都市の八坂神社常磐新殿で開かれたWCRP日本委員会「第5回理事会」の席上、発表されました。メーンテーマは『Welcoming the Other(他者を歓迎する=仮訳)』。少数派の保護や信教の自由が世界的な課題となる中、すべての民族や市民の尊厳を守るため、宗教の叡智(えいち)を集め、平和への方途を探ります。協力団体として、ウィーンにある「アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター」(KAICIID)が受け入れや運営を支援します。

第9回世界大会については、イスラームとの対話が重要な課題との認識に立ち、テーマや開催地などが検討されてきました。WCRPはまた、サウジアラビアのアブドッラー・ビン・アブドルアジーズ国王が主導する諸宗教・文化間対話の取り組みにも協力。昨年11月、KAICIIDの設立も支援するなど、信頼関係を築いてきました。こうした中、平和のために諸宗教が集い、協力するという共通の目的を持つKAICIIDの支援のもと、同センターがあるウィーンで大会が開催されることになりました。
大会は、11月19日から21日まで、ウィーン市内のカンファレンスセンターで開かれます。テーマは『他者を歓迎する――人間の尊厳、市民権、そして分かち合われる幸福のための行動』(仮訳)。「アラブの春」と呼ばれる中東の民主化運動では、少数派の保護や信教の自由の問題がクローズアップされ、すべての民族や市民の尊厳を守る重要性が指摘されています。こうした課題は世界的にも共通しており、「寛容」を超え、より積極的に他者を「受容」していくことが、すべての宗教者の責務であるとの認識からテーマが設定されました。
大会参加者は、正式代表450人、オブザーバー150人。プログラムやスピーカーなどは、5月下旬のWCRP国際委員会、大会準備委員会の会合で決定する予定です。
大会に先立ち、18日には女性会議、青年会議がそれぞれ行われます。
日本委員会は今後、代表団(正式代表5人、女性・青年代表各1人、オブザーバー)を結成するほか、大会準備委員会(仮称)を立ち上げ、大会での日本からの発信のあり方などを検討していく予定です。

◆メモ WCRP世界大会の歩み

1970年、世界39カ国から300人を超える宗教者が京都に集い、『非武装・開発・人権』をテーマに第1回世界大会が開催された。以来、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、中東地域での大会を経て、2006年、日本で二度目となる第8回大会を開催。大会はWCRPの活動の成果を確認し、新たな方向性を定める機会となる。テーマ別の部会も開かれ、世界の諸課題に対する宗教者の方策を探る。大会の開催は組織の拡大にもつながり、現在、WCRPのネットワークは90カ国以上に及ぶ。

(2013.03.22記載)