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2013年07月27日 「路上生活者支援連絡会」シンポジウム

庭野平和財団、日本キリスト教協議会(NCC)などが参画する「路上生活者支援連絡会」によるシンポジウムが7月27日、東京・渋谷区の日本キリスト教団城西教会で行われました。テーマは『福島原発事故に伴う被ばく労働の実態』。約20人が参加しました。

当日は、被ばく労働を考えるネットワーク代表で企業組合あうん気付「フードバンク」の中村光男氏、同ネットワーク事務局員で山谷労働者福祉会館活動委員のなすび氏(ペンネーム)、元福島第一原発事故収束作業員のごぼう氏(同)が講演。なすび氏は、日本でこれまでに多くの路上生活者が原子力発電所の定期点検などの際に雇われ、放射性物質の危険性を十分理解しないままに放射線量の高い場所で作業を強いられてきた実情を説明しました。
一方、ごぼう氏は昨年1月から約10カ月間、事故収束作業員として福島第一原発の免震重要棟で勤務した体験を報告。勤務先が元請け会社から契約を解除されたことを機に解雇された不満を訴えました。また、作業に伴う被ばく線量の測定方法のあいまいさなどに言及した上で、放射線の体への影響や今後の生活への不安を打ち明けました。
さらに中村氏は、原発事故の収束作業員には国から危険手当が支給されているにもかかわらず、実際には雇用側の搾取などで本人に適切に支払われていない現状を指摘。「被ばく労働者の苦労や置かれた状況を通じ、現代社会の仕組みを考え直す必要がある」と訴えました。

(2013.08.02記載)