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2013年09月05日 福島で「同宗連」研修会 『原発事故と人権』

『原発事故と人権』をテーマに「同宗連」(『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議)の「第64回『同宗連』研修会」が9月5、6の両日、福島市内のホテルで開催され、加盟する13教団、3団体から37人が参加しました。

研修会では、福島第一原発から45キロに位置する飯舘村で酪農を営んでいた長谷川健一氏が講演。原発事故直後、行政による情報の混乱や隠ぺいによって、飯舘村の住民の避難が遅れたとの見解を示しました。また、相馬市の酪農仲間が原発事故の影響で自殺したことや、田畑やビニールハウスなどの除染作業で生じた放射性廃棄物が飯舘村の各地に置かれている現状にも触れ、復興作業が進んでいない状況を訴えました。このあと、参加者は長谷川氏と共に飯舘村役場や同氏の自宅を訪れ、原発事故によって人が激減した村の実態を視察しました。
6日には、『福島県内寺院の現状』をテーマに曹洞宗福島県宗務所所長で福島市にある円通寺の吉岡棟憲住職が講演しました。吉岡師は、原発事故による風評被害に言及。福島ナンバーの車に「放射能がうつる」と落書きをされたり、福島の農作物や魚が避けられたりしている現状を指摘し、「これは死活問題です。差別がこれからも続くかと思うと心配」と語り、人権問題に対する「同宗連」の取り組みに期待を寄せました。

(2013.09.20記載)