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2013年11月12日 新宗連「第25回教団人セミナー」 『ヘイトスピーチ問題』がテーマ

新宗連(新日本宗教団体連合会)の「第25回教団人セミナー」が11月12日、東京・渋谷区の新宗連会館で開催され、加盟教団の代表、役員ら18人が参加しました。立正佼成会から、庭野光祥次代会長、根本昌廣外務部長、庭野統弘学林学長が出席しました。

同セミナーでは、『ヘイトスピーチ問題を考える』をテーマに東京大学大学院の高橋哲哉教授が講演しました。特定の民族や人種に対して憎しみや差別を煽(あお)るヘイトスピーチ(憎悪表現)について言及。日本では、一部の団体を中心に過去の戦争や植民地支配を正当化する議論が唱えられていると説明しました。
その上で在日韓国・朝鮮人に対するヘイトスピーチのデモが過激化し、傷害事件に発展した事例に触れ、「異なる人種、民族、人間集団に憎悪を向けた行為が、暴力にまで行きついています。ヘイトスピーチは、ヘイトクライム(憎悪犯罪)と捉えるべき」との見解を示しました。
また、1965年の国連総会で採択された「人種差別撤廃条約」を95年に批准した日本だが、現在、ヘイトスピーチに対して法的な措置は全く取られていないと指摘。「同条約を批准している以上、日本は国際法に合わせる必要がある」と訴えました。さらに、「すべてのいのちは尊く、生きる権利を奪う権利は誰にもありません。いのちは差別できないという考え方に立つことが大事」と述べました。
ヘイトスピーチ問題の解決策として、言論表現の自由を保障した上で、誤った主張が淘汰(とうた)される社会を市民の手で築いていく重要性を説きました。

(2013.11.29記載)