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2014年02月28日 「第31回庭野平和賞」 GPIW創設者 ディーナ・メリアム氏(米)

「第31回庭野平和賞」の受賞者が、米国のヒンドゥー教徒でGPIW(女性による世界平和イニシアティブ)の創設者であるディーナ・メリアム氏(62)に決定しました。公益財団法人・庭野平和財団(庭野日鑛名誉会長、庭野欽司郎理事長)が2月28日、京都市内のホテルで開いた記者発表会の席上、野口陽一専務理事により発表されました。メリアム氏は2002年、和解促進や諸問題解決に対する女性宗教指導者の貢献を目指し、GPIWを創設。女性的な価値観や特徴を生かし、世界各地で緊張緩和や和解促進に尽力してきました。贈呈式は5月16日、東京・港区の国際文化会館で行われます。

庭野平和賞は宗教的精神に基づいて宗教協力を推進し、世界平和実現に向け顕著な功績を残した個人・団体に贈られるもの。今回、125カ国、約600人の学識者、宗教者らの推薦を経て、庭野平和賞委員会(宗教協力や平和活動に取り組む世界の11人の宗教者、識者らで構成)で厳正な審査を行い、受賞者を決定しました。
メリアム氏は1951年、米国・ニューヨーク市で生まれました。ユダヤ教の著名な指導者だった大伯父の影響を受け、青少年期からユダヤ教徒と交流を重ねました。この体験が宗教的な世界に興味を持つきっかけとなり、その後、インド文化やヨガなどに引かれてヒンドゥー教徒となりました。
バーナード大学を卒業後、コロンビア大学で修士号を取得。90年代後半から諸宗教間対話・協力活動を始めました。2000年には、ニューヨークの国連本部で開催された「宗教指導者による『ミレニアム世界平和サミット』」で副議長を務めました。
これらの活動を通じてメリアム氏は、世界の諸問題解決には女性の役割が重要であるにもかかわらず、国際的な諸宗教の活動で女性宗教指導者に正当な評価と役割が与えられていない現状を憂慮。女性が持つ包容力や優しさ、協調性、忍耐力などの特徴を生かし、紛争地域で癒やしを提供するとともに、和解促進を促すことを目指して、02年にGPIW(本部・ニューヨーク)を設立しました。以来、諸宗教間の活動に参画し、宗教や文化の違い、性別などあらゆる面でバランスを保つ大切さを訴えてきました。
また、国連との協働による「若手リーダー育成プログラム」の実施、イスラエル・パレスチナ、アフガニスタン、カンボジアなど紛争地域での対話活動の組織化といった取り組みを展開。近年では、環境保全活動にも力を注いでいます。現在、同団体には女性を中心に世界の約4千人が所属しています。
メリアム氏はGPIWの議長として活躍するほか、ハーバード大学世界宗教研究センターや国際宗教外交センターなどの理事、ブータンGNHセンターの諮問委員なども務めています。
庭野平和賞委員会は、これまでの功績を高く評価し、メリアム氏を受賞者に決定しました。5月16日の贈呈式では、庭野名誉会長から正賞の賞状、副賞として顕彰メダル、賞金2千万円が贈られ、同氏による記念講演が行われる予定。
なお、受賞者の公表はローマでも行われ、各メディアにより報道されました。

第31回庭野平和賞 受賞者メッセージ 平和への努力続ける女性の代表として

心からの感謝をもって、第31回庭野平和賞を受賞させて頂きます。
庭野平和賞が多年にわたり、諸宗教間のさまざまな分野でなされた重要な業績を顕彰されてきたことを、いつも拝見しておりました。世界でしばしば見落とされがちな、諸宗教間の独創的で進取的な活動を庭野平和財団が推進していることに対し、私は謝意を表してきました。
尊敬すべき庭野平和賞受賞者の一人に、「GPIW(女性による世界平和イニシアティブ)」を加えて頂くことは、とても名誉なことです。私はこの賞を、過去12年間、共に仕事をしてきた多くの女性の精神的・宗教的指導者や実践家の代表としてお受けいたします。
彼女たちの仕事は表面には現れませんが、より平和的で他者を思いやる社会の建設と、その発展にとってきわめて重要です。彼女たちの思いと願い、そして慈悲にあふれた世界を建設するためのビジョンを、5月に東京へお届けします。

GPIW創設者・議長
ディーナ・メリアム

(2014.3.07記載)