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2014年12月08日 東北アジアの平和構築目指して IPCR「第6回国際セミナー」

IPCR(韓国宗教平和国際事業団)主催の第6回国際セミナーが、12月8日から10日まで韓国・慶州市内のホテルで開催され、日本、中国、韓国の宗教者、学者ら約30人が参加しました。日本からWCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会の眞田芳憲平和研究所所長、畠山友利事務局長らが出席。立正佼成会から国富敬二杉並教会長(WCRP日本委理事)、庭野統弘学林学長が出席しました。

今回のテーマは、『東北アジアにおける平和共同体構築のための共通基盤を求めて』。開会式では中国天主教主教団の楊宇副秘書長、眞田所長が基調講演を行いました。
第1セッションでは、『社会的側面からの共通基盤』をテーマに、山本俊正・関西学院大学教授(WCRP日本委特別会員)、韓国の辛炫承(シンションスン)・尚志大学教授が発題。山本氏は、日本国憲法9条の空洞化と改憲の波がもたらす東北アジアの平和の危機に対し、宗教者が応答する責任を強調。辛氏は「儒仏文化」を土台にした社会が東アジアにおける最も重要な共通性を成すという認識を示しました。

第2セッションでは、『宗教的、文化的側面からの共通基盤』をテーマに圓光大学の朴光洙(パククァンス)教授が発題。3カ国の共同体意識の共有は、諸民族や諸国家の多様な文化的性質を認め、尊重することを前提に初めて可能になり、それが平和実現の土台になると指摘しました。
応答の中で庭野学長は、己の無力さを自覚し、神仏の御心に沿うよう祈り、いのちの尊厳に合掌礼拝する精神を宗教者が共有する大切さを訴えました。

『環境的側面からの共通基盤』をテーマにした第3セッションで発題した中国佛教協会の印楽副事務総長は、急速に工業化、都市化が進む中国では生態環境にかかる負荷が増大し、人々の生態保護の意識と要求が強くなっていると報告しました。
畠山事務局長は応答の中で、東アジアの原子力エネルギーの導入に言及。「今こそ宗教者が連帯し、あらゆる『いのち』を守るために、危機にさらされている自然環境、社会環境の再生に向けた取り組みを促進しなけれ ばならない」と訴えました。

(2014年12月19日記載)