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2015年08月15日 恒久平和を誓願 「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典


式典の最後に登壇した庭野会長は、焼香のあと、金色の折り鶴を奉納。戦没者を追悼し世界平和への祈りを捧げました

70回目の「終戦の日」となった8月15日を中心に、「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典が大聖堂はじめ全国の教会で執り行われました。15日、大聖堂での式典には東京教区の会員ら約2000人が参集。第二次世界大戦で犠牲になった6千万人を超えるといわれる戦没者をはじめ、すべての戦争犠牲者に追悼の誠を捧げ、恒久平和を祈りました。


佼成合唱団による奉献曲『いのち』の調べで奉献を行った青年女子・学生部員。式典を通し、参列者は改めて不戦を誓いました

大聖堂の式典では、東京西支教区の青年女子部員、学生部員16人による奉献の儀、読経供養に続き、導師を務めた庭野光祥次代会長が庭野日鑛会長の「回向文」を奏上。戦後、平和憲法(日本国憲法)を基に戦争のない豊かな国へと発展し、国際社会に大きく貢献してきた日本の平和国家としての歩みに触れ、「偏(ひとえ)に先の大戦で、尊い『いのち』を犠牲にされた多くの御霊(みたま)の礎の上に築かれたものであることを、私たちは常に忘れることなく心に刻んでまいります」と誓いました。その上で、平和な未来を創造するために、戦争の体験談や平和への願いを子々孫々まで語り継ぐ決意を表明しました。
このあと、光祥次代会長が焼香を行い、折り鶴を奉納。次いで、参加者全員で唱歌『ふるさと』を合唱しました。
体験説法に立った鈴木孝太郎広島教会長は、同教会への赴任を機に、核兵器のない平和な世界の実現に向けた願いを改めて胸に刻んだと述懐。原爆投下から70年の今年、教会スローガンに『常寂光土実現のため広島から平和を発信しよう』と掲げ、被爆地にある教会の取り組みについて語りました。
さらに、原爆被害の詳細を説明。平和学習などで当時のつらい体験を伝える語り部に敬意を表しながら、「あれほどの悲惨な体験をされた被爆者の方々が、アメリカを恨まずに平和の尊さを訴える姿に心から感動しました。『平和の心』の原点はここにあると思いました」と述べ、今後も平和への地道な努力を続ける意向を示しました。
最後に登壇した庭野会長は、焼香、献鶴のあと法話に立ち、戦時中、旧本部(本会発祥の地)で防空壕(ごう)に避難した記憶や、終戦後の昭和28年に、疎開先の新潟・十日町市から修学旅行で東京を訪れた際、傷痍(しょうい)軍人などを目にした体験を紹介。「戦争はいかに悲惨なものであるかということを、戦後70年を迎えて、またはっきりと分からせて頂きました」と話し、平和構築に向け、一人ひとりが精進する大切さを説きました。

(2015年8月20日記載)